7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「迫田医師は妻子がおられますので、奥様から貴女を訴えるとご相談がありましたので」
「ふーん…。それで、どうしたらいいの? 」
「ここでは何ですから、私の事務所へいらしてもらえますか? 本日、勤務が終わってからで構いませんので」
「分かったわ。じゃあ、18時に行くわ」
「わかりました、お待ちしております。それでは」
そのまま去って行く奏弥を、さやかはじっと見ていた。
「何が慰謝料よ…そんなもの、払うものですか…」
奏弥の去り行く姿を見ながら、さやかは口元でニヤッと笑っていた…。
病院を出て来た奏弥はニヤッと笑っていた。
「…バッチリ、証拠はとれたな…」
ポケットに隠し持っていた小さなカメラを取り出して、奏弥は余裕の笑みを浮かべていた。
夕方になり。
外出していた凜がリッチ―ルヒルズに戻って来た。
マンションの前まで来ると、ちょうど翔次が帰って来た。
「凜さん! 」
遠くから手を振りながら掛けてくる翔次を見て、凛は足を止め立ち止まった。
「凜さん、ただいま」
駆け寄って来た翔次がニコっと笑って言った。
「お帰りなさい…」
お帰りさないと素直に答えた凜は、何だか恥ずかしそうな顔をしていた。
「家の中じゃ退屈だったでしょう? ごめんね、一人にしちゃて」
「いえ…」
さりげなく手を握って来た翔次。
そのまま一緒にマンションの中へ入って行った。