7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…

 母が死んで、祥子は心の支えだった人がいなくなり何を信じていいのか分からなくなっていた。
 そんな時、奏弥の秘書になって、お金持ちと結婚したら私は幸せになれると思い込むようになった。
 奏弥は「誰とも恋愛も結婚もしません。俺は体が弱いので」と言ったが、それならお金で腕のいい医師を雇えばいいだけと思った。
 誰とも恋愛も結婚もしないと言うわりには、奏弥はいつも幸せそうな顔をしていた。

 私だけが不幸…。
 祥子は心の底でそう思うようになっていた。

 奏弥と結婚したらきっと幸せになれる。
 お金持ちの奏弥しかいない…。

 そう思うようになり、奏弥に近づく女性を見ると殺してやりたいと思うよになった。


 ギュッとシーツを握りしめた祥子。

「…私を、末盛家から絶縁して下さい。…それで、いいですから…」

 ん? と、剛三は祥子を見た。

「お金もいりません。…死ぬつもりでしたが、生き残ってしまいました。…この後始末は、自分でしますので。どうぞ、お気になさらないで下さい」

 じっと剛三は祥子を黙って見ていた。

「…お前がそう望むなら、いう通りにする。…しかし、残念だが。私とお前が親子であることは、一生変わりそうにない事だ。…」

 それだけ言うと、剛三はドアの傍まで歩み寄って行った。


「…最後にこれだけは言っておこう」

 ドアの傍で立ち止まった剛三が、背を向けて辛そうな表情を浮かべた。

「私は罪深い男だ。愛してくれた女性を死なせてしまった…幸せにすると約束したはずだったが…。この罪は一生かかっても、償う事はできない。…相手は、死んでしまったのだからな…。だが、もし罪を悔い改める事が出るなら。私は命ある限り、悔い改めるべく生きようと思う。…それが、私が出来る精一杯の事だ。…すまないな、私は不器用でな。本当の愛が判らない。それ故に…素直にもなれんのだろうな…」

 それだけ言うと、病室を出て行った剛三。

「…罪を悔い改める…。そうね、私も命がある限り悔い改める事にするわ…。こんな顔になってしまったんだから、それがにあっているわね…」

 包帯の隙間から見える祥子の口元が少しだけ笑っていた…。


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