7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「…翔次って…俺の弟? 」
「ええ、そうよ。奏弥の双子の弟よ、翔次は」
「双子の弟…。翔次は、今はどこにいるの? 」
尋ねられ、奏はちょっと言いずらそうな目を浮かべた。
「翔次は…5年前に病気で亡くなったのよ。…肺を悪くしていて、助からなかったの」
「…俺じゃなくて、弟が先に死んだの? 」
「そうゆうことになるわね」
「どうして? 俺じゃなかったんだろう…」
「そんな言い方しないで。翔次は、奏弥に幸せになってほしいって言い残していたのよ」
奏弥はもう一度写真を見た。
「…ねぇ…。もしかして、この子達は俺の子供? 」
「え? 違うわよ」
「嘘だ! この子達は、俺の子供だよ。だって…」
(パパとして選んで産まれて来たのに、どうして傍にいてくれないの? )
また頭の奥から聞こえてきた声…。
幼い男の子の声。
その声の主は、写真を見ていると聖龍だと奏弥には分かった。
「…この子が俺に言ったから。…パパとして選んで産まれて来たのに、どうして傍にいてくれないのかって…」
言いながら写真の聖龍を指さした奏弥。
奏は驚いていたが、聖龍は翔次にそっくりだから、何か混同しているのかもしれないと思った。
「奏弥。今は何も考えなくていいから、ゆっくりと体を休めて治療に専念しなさい」
奏弥は沙心を見つめたまま頷いた。
朝食が終わると、翌日の検査の為、奏弥は連れて行かれた。
その間、奏は一旦家に戻る事にしてまた夕方来る事にした。
祥子は警察に全てを話す事を決めた。
事情徴収をするためにやって来た刑事に、自分が奏弥を道ずれに死のうとしてわざと一緒に階段から転落するようにけしかけたと白状した。
そして…
先日亡くなった女子社員も、同じ手段で階段から突き落としたと白状した。
それ以外にも今まで社内でものにしたい男性社員に着きまとい、思い通りにならなかったら追い込んで嫌がらせを繰り返し精神状態を悪くして入院させたり、山奥に連れて行って置き去りにしてきた複数の男性がいる事も白状した。
殺人未遂並びに迷惑行為などが重なり、祥子は警察病院へ移送される事になった。
移送される前に祥子は、奏弥宛てに手紙を残していた。
奏弥が元気になったら見せて欲しいと、看護師に預けて去って行った。