7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
検査を終えた奏弥は、病室へ戻って来て昼食を済せた。
昼の時間は奏がいない為、病院にいる看護助手いわゆるヘルパーさんが手伝ってくれた。
恥ずかしい気持ちがあるが、一人で食べることができない奏弥はちょっと伏し目がちで食事介助をしてもらっていた
奏弥の介助に来たのは中年の女性だった。
分かりイケメンの男性の介助なら、喜んで引き受けるわと言って嬉しそうにしていた。
結婚しているが、子供も成人して手が離れ、それぞれ結婚もして独立しているから自分の子供の介助をしているようで懐かしいとも話していた。
奏弥は記憶がない部分もある為、何を聞いてもあまり心に響かなかったが、楽しそうに話してくれるヘルパーさんの声には元気がもらえるような気がしていた。
昼食が終わりトイレ介助までしてもらうと、ゆっくり休息の時間になった。
奏弥は今朝送られてきた、凛太朗と聖龍の写真をじっと見ていた。
可愛い2人を見ていると心が和む。
そして弟の翔次の姿が見えてくる。
翔次の姿を見ていると、奏弥は何故か心が落ち着いた。
「この子達は、俺の子供だ…」
凛太朗と聖龍を見て、奏弥が呟いた。
「でも…母親が誰なのか、思い出せない…。俺が、愛した人は…誰なのだろうか? 」
頭を押さえた奏弥だが、何も思い出せず強い痛みだけが走った。
医師からはゆっくりと時間をかければ、思い出せると思うと言われている。
その頃。
疾風は凜に連絡を取り、こうして子供達も一緒に再会できたことから、これを機会に宗田ホールディングの顧問弁護士になってほしい事と、できれば宗田家で一緒に暮らしてほしいと話していた。
しかし凜は顧問弁護士なる事は頑なに断ってきた。
ただ、子供達が行き来したいのであれば…宗田家で暮らす事を望むのであれば、そこ辺りは検討したいと言った。
疾風と話を経て凜は家に帰って、凛太朗と聖龍に宗田家に行きたいかどうかを聞いて見た。
「僕のお爺ちゃんとお婆ちゃんなのでしょう? 」
「それなら行きたいなぁ」
凛太朗も聖龍も嬉しそうに答えた。
そんな2人を見て、凛はある決意を固めていた。