7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
それから3週間の月日が流れた。
奏弥は腕の方は思ったより早く回復に向かい、ギプスが外れリハビリが出来るようになった。
足ももう少しでギプスが外れそうで、回復の速さに医師も驚いていた。
記憶はまだ何があったのかは思い出せないままだが、家族の事や仕事の事や過去の出来事を少しずつ思い出せるようになっている。
相変わらず凛太朗と聖龍の事は、自分の子供だと思い込んでいるようだが、母親が誰なお顔も出せないままである。
記憶が曖昧ではあるが、不安は和らぎ穏やかな気持ちを取り戻している奏弥。
そんな奏弥に、疾風が凛太朗と聖龍が宗田家で暮らすようになる事を話した。
「本当? いつから? 」
「そうだね。奏弥の足が完治したら宗田家に来ようかな? と話していたよ」
「そっか。じゃあ俺も、一人暮らし早めて家に戻った方がいいのかな? 」
「うん、そうだね。そうしてもらえると、きっと凛太朗君も聖龍君も喜びと思うよ」
「それじゃあ、退院したら。戻るようにするよ」
無邪気な笑顔を浮かべた奏弥。
どちらかと言えば奏弥はシレっとする事が多く、こんない無邪気に笑う事はなかった。
記憶を失ったばかりの時は、ショックで無表情だったが、時間が経過するにつれて子供の様に笑うようになってきた。
凛太朗と聖龍を自分の子供だと思い込んでいるのは、子供の頃の自分と重ねているのかもしれないと疾風は思っている。
ただ気になっているのは、凜の様子が変であると疾風は感じていた。
あれから祥子は警察病院に入院していて、顔の傷はかなり回復し、取り調べが出来るようになった事から素直に応じていた。
今回、奏弥を道連れに死のうとした事。
父親からずっとした下られていて、お金もちと結婚して幸せになり父親を見返してやろうとずっと思って生きてきた事を素直に話した。