7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
数日後。
奏弥は足のギプスがとれ、リハビリに励んでいた。
午前中はリハビリして、午後からは静養に入る。
そんな時だった。
奏弥がうつらうつらと、昼寝をしかかっていると、病室のドアがそっと開けられた。
何となくの気配にハッと目を覚ました奏弥が入り口を見ると、そこには聖龍がいた。
園服を着ている姿から、保育園からそのまま来たのか、それとも帰りなのだろうか?
それにしては聖龍一人で来ているように見えるが…。
「聖龍君…だよね? 一人で来たのかい? 」
まだちょっとぎこちない足取りて、奏弥はベッドを出て聖龍に歩み寄て行った。
「この時間だと保育園じゃないのか? 」
ひょいと聖龍を抱きあげた奏弥。
奏弥に抱き上げられると、聖龍は満面の笑みを浮かべた。
「僕の事、思い出してくれたの? 」
満面の笑みで言われると、奏弥は胸がキュンとなった。
「忘れる筈がないだろう? 聖龍君は、俺の子供だ。勿論、凛太朗君もだよ」
え? と、一瞬キョンとした聖龍だがすぐさま笑顔に戻った。
「もうすぐ退院できるから、そうしたら一緒に暮らそう。ごめんな、今まで一緒に暮らせなくて」
「ううん、いいよそんな事。でも、お母さんの事は思い出してくれたの? 」
お母さんの事と言われると、奏弥はちょっと悲しげな目を浮かべた。
「…ごめん、お母さんの事は未だ思出せないままなんだ。でもだ丈夫だ! 心から愛した人だから、一緒に暮らすようになればすぐに思い出せるよ」
「うん…」
奏弥は聖龍を抱っこしたまま、窓際に歩み寄って来た。
病室の窓から見える景色に、聖龍は嬉しそうに微笑んた。
「今日はこの近くに、遊びに来ていたのか? 」
「違うよ。パパに会いに来たの」
「え? 一人で? 」
「うん」
園服を着て一人で?
いや違う、きっとこの近くのどこかに来ていて抜け出してきたに違いない。
そう思った奏弥は、聖龍を抱いたまま病室を出てナースステーションへ向かった。