7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
ナースステーションでは数名の看護師が待機していた。
「すみません」
奏弥が聖龍を抱っこして現れると、待機していた看護師が満面の笑顔でやって来た。
「わぁ、すごく可愛い男の子」
「綺麗な顔しているのね、お父さんとそっくりね」
「いくつ? 」
奏弥に抱っこされている聖龍に見入ってしまった看護師達。
聖龍はちょっとぎこちない笑みを浮かべていた。
「すみません。この子、ちょっと抜け出してきたようなので。保育園に電話してもらえますか? 」
「あら、抜け出してわざわざここまで来たの? 」
一人の看護師が電話をかけ始めた。
「もしもし、こちら金奈総合病院です。そちらの園児さんが、お父さんを訪ねて抜け出してこられていますのでお迎えお願いできますか? …はい、今はお父さんと一緒にいますよ。…え? …」
ちょっと驚いた顔をして看護師は奏弥を見た。
「はい…。ああ、そうですか。ではロビーでお待ちしていますので。…はい、宜しくお願いします」
電話を切った看護師は、ちょっと分からない顔をしていた。
「保育園の先生が、お迎えに来てくれるそうよ。ロビーで待っていると伝えたから、一緒にいきましょうか」
「僕、お父さんと一緒に行く」
看護師はじっと奏弥を見た。
「あの…。保育園の先生が、その事の事にすぐに気づいたのですが。お父さんはいないと、言われたのですが」
「ああ、ちょっと訳があって今まで離れていたので。保育園では、父親はいない事になっています」
「そうなのですか? 」
「心配しなくていいですよ、俺も一緒に保育園からのお迎え待ちますので」