7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
すると。
ちょっと古い写真が出てきた。
「この写真…」
写真を見た奏弥は呆然と驚いた目をしていたが、だんだんと目が潤んできた。
「…この人…。間違いない、凛太朗君と聖龍君のお母さんだ…」
写真は少し若い奏弥と、その隣には今と同じ髪の長い凜がいる。
今よりもちょっと若そうに見える所を見ると、随分前の写真のようだ。
優しく奏弥が凜の肩を抱いて一緒に写っているが、凛はどこか照れているのかシレっとした顔をしている。
ちょっとアルコールでも入っているのか、顔が赤らんでいる凜。
他の写真は眠っている凜の写真がある。
ベッドの中で気持ちよさそうにスヤスヤと眠っている凜は、まるで天使のようにかわいい。
「…凜さん…。あの夜…初めて、凛さんと結ばれた日に。俺がこっそり写した写真…こんな所に、保存してあったんだ…」
ズキンとした痛みの中。
奏弥の脳裏に思い出されてきたのは、凜と初めて結ばれた日の事だった。
かなりお酒を飲んでいた凜が、とても悲しそうな目をしていて奏弥はほっとく事が出なかった。
想いを告げ、たまらなくなりキスをして、そのまま家に連れてきた凜。
傷だらけの体を見せてくれて、今夜だけ抱いてほしいと言われたが奏弥はずっと一緒にいたいと告げた。
いつも弱さを見せない凜が、初めて奏弥に見せた涙…。
シレっとしているのは、自分の弱さを見せたくないからのようだった。
想いを告げたのに凜は目が覚めると、逃げるように帰ってしまいその後はずっと無視されているようで避けられていた。
何も覚えていないようで、お酒のせいで忘れてしまっているようだと気づいた奏弥は、凜が忘れていてもずっと好きでいようと決めて誰とも付き合わない事を決めた。
その後、凜と再会したのは…翔次の家だった。
朝早くに凜が翔次の家にいたことに驚いた奏弥だったが、行方不明だった凜が見つかった事にホッとした。
状況を見て翔次と愛し合っているようだと気づいた奏弥は、何も言う事はしなかった。
その後…。
翔次が亡くなり、凛は宗田家から去って行こうとしていた。
だが奏弥がそれを止めた。
これからも仲良くしてゆきたいと言った奏弥。
思い出された過去に、奏弥は納得した。
「あ! 」
ハッと何かを思った奏弥は、そのまま部屋を出た。