7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
永遠の愛
空港。
夜の空港は昼間に比べれば人が少ないが、最終フライトに間に合わせてバタバタとやってくる人も多い。
凜はタクシーで空港にやって来て、搭乗手続きを済ませた。
最終便でアメリカに出発するようだ。
スーツケースを預けるために歩いてきた凜。
すると、急ぎ足で走って来る足音が聞こえてきたハッと顔を上げた凜。
遠くから見えてくる人影に、驚いて目を見開いた凜はその場に立ち止まった。
走ってきた人影は追いかけてきた奏弥だった。
「どうして? 誰にも何も言っていないのに…」
立ち止まている凜に気が付いた奏弥は、そのまま走って凜の元へ近づいてきた。
「間に合って良かった…」
近づいてきた奏弥に、凜はただ驚くばかりで言葉が出なかった。
「翔次が教えてくれた。空港に行って、今度こそ凜さんを絶対に離さないでと言われたよ」
「…どうして? …誰にも何も話していないのに…」
「翔次が全部見ていたんだね。…ごめんね、忘れていて」
凜は観念したようにスッと視線を落とした。
「忘れてくれて良かったのに、私の事なんて…」
奏弥はとりあえず凜が持っているスーツケースを手に取った。
「ハートが忘れる事はないんだよ。たとえ記憶から消えたって、ハートにはずっと残っているから」
ギュッと凜の手を握りしめた奏弥が、そっと微笑んだ。