7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「…貴方が心から愛してくれたのに。…私はすっかり忘れてしまった…。あのマンションで、傷だらけの私を貴方はあんなに愛してくれたのに…」
「思い出してくれたんだ、あの夜の事」
「つい最近です。…貴方とセフレとして繋がった時に…」
「そっか。やっぱり、ハートが覚えていたんだね」
「ずっと、あのマンションから逃げるように帰ってから。貴方を見るたびに、何故か胸が苦しくて。大切な事を忘れているような気がしていました。なんだか、とても悪い事をしているようで辛くて。貴方の事をずっと避けていました…」
握りしめている手を引き寄せて、奏弥は凜をギュッと抱きしめた。
「もういいよ。俺、記憶を失ってよく分かったんだ。たとえ、記憶から消えたとしてもハートにはちゃんと刻まれているんだって。だから、凜太郎君の事も聖龍君の事もすぐに判ったし。なんとなくなだけど、2人の向こうに凜さんを見ていたから。今でもはっきり思い出せない事が多いけど。俺が、凛さんの事を心から愛している事は間違いないって確信できるよ」
「…ごめんなさい…。貴方があんなに愛してくれたのに。私は別の人を好きになってしまって…」
「何で謝るの? 別に悪い事なんて、全くしていないよ。それに、翔次は俺の双子の弟だから。好きになったって、おかしくないよ。もう一人の俺なんだから」
奏弥の腕の中で凛はゆっくりと顔を上げた。
目と目が合うと奏弥は優しく微笑んでくれた。
「帰ろう、凛太朗君と聖龍君が待っているよ」
「…はい…」
そのまま奏弥と凜は手を繋いで、歩いて行った。
そのまま奏弥の車で凜は宗田家に向かった。
奏弥から連絡をもらった奏と疾風は大喜びで凜を迎え入れてくれた。
「良かった、やっと凜さんが我が家に来てくれたんだね」
「凛太朗君と聖龍君が来てくれて、どうして凜さんが来てくれないのかな? って、寂しかったのよ」
凛太朗はやっと笑顔を見せてくれた。
聖龍もホッとした顔をしている。
「父さん、母さん。俺、凜さんと結婚する事を決めたんだ」
え?
凜は驚いて奏弥を見た。
凛太朗と聖龍は顔を見合わせてニコっと笑った。
「奏弥。もしかして、お前はずっと前から凜さんの事を知っているのか? 」
「そうよね。ずっと気になっていたのだけど、なんだか翔次よりもずっと前から凜さんの事を知っているような感じがしたの」
「凜さんは、俺の事務所で一緒に仕事していたんだ」
「え? そうなのか? 」
「それなら納得できるわ。元同僚なら、知っていて当然よね」
驚いている凜に、奏弥はそっと微笑んだ。
「何も反対しないから、凜さんの事を幸せにしてあげて欲しい」
「そうよ。もう、悲しんでほしくないもの」
「心配しないで。大丈夫だから」
凛太朗と聖龍が凜の傍に寄って来た。