7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
翌日にはとても爽やかな朝を2人で迎えた。
「良かった、目が覚めても凜がいてくれて」
「…ごめんなさい、あの時は何も覚えていなくて。怖くて逃げだしてしまったの」
「もういいよ。今ここに凜がいてくれるんだから」
そっと凜を抱き寄せた奏弥は、とても幸せそうな顔をしている。
やっと本当の気持ちを認めて結ばれた。
最高の幸せが手に入ったのだ。
それから3ヵ月後。
季節は秋になりつつあり、朝晩は寒くなってきた。
奏弥は失っていた記憶を取り戻すことができた。
でも、何も変わる事はなくただ思い出せたスッキリ感があるだけだった。
凛とは入籍を済ませて、正式な夫となった。
そして凛太朗と聖龍の父親にもなれた奏弥。
事実上凜は再婚になるが、苗字は変わらぬままで凛太朗も聖龍も特に問題はなかった。
凛の両親も何も反対することなく、一番最良な道だと大喜びしている。
あれから祥子の裁判が始まっていた。
死刑か無期懲役になるのは間違いないと言われているが、家庭環境から精神面に問題があるとも言われていて、弁護人は懲役20年を希望しているとか。
祥子は穏やかで素直に応じているようだ。
因みに、騒いでいた妊娠は全くの嘘だったようだ。
複数の男性と関係を持ち、月のものが遅れていたのはあったが勘違いだったようだ。
宗田ホールディングも奏弥が仕事に復帰してますます忙しくなった。
忙しく泣て来た事から、奏弥は凜に秘書として働いてほしいと頼んだ。
以前は顧問弁護士にと話していたが、傍にいて欲しいという奏弥の願いからだ。
凜は家でも会社でも一緒だと、きっと飽きてしまうと言ったが、ずっと何年も変わらない想いのまま過ごしてきたから飽きる事はないと言っている。
秘書と言っても毎日は強制しない、凛太朗と聖龍の送り迎えなどもある為、週に2日~3日程度で働いてほしいと奏弥は言った。
国選弁護人の仕事もそろそろ辞める時が来たと凜は感じていたことから、奏弥が言う通り秘書として宗田ホールディングで働く事にした。
凜が秘書になり3ヶ月が過ぎようとしている。
副社長室で忙しそうに仕事をしている奏弥。
カチャッとドアを開けて凜が入ってきた。
長い髪を片側で結ってまとめて、秋らしいシックな回路のワンピース姿の凜は、以前に比べてとても穏やかな表情をしている。
「ごめんなさい、遅くなってしまって」
「お帰り」
仕事の手を止めて、奏弥は凜に歩み寄って行った。