7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
その頃。
奏弥と約束をしていたさやかが、事務所を訪れていた。
迫田医師との不倫関係が、迫田医師の妻にばれてしまい慰謝料請求をされている件で、裁判まで行わずして示談を言う形で和解したいと申し出が出ている事を奏弥はさやかに話した。
「そう…。仕方ないわね、裁判になると面倒だし。お金を払って、示談と言う形にしてもらえるならそれでいいわ」
仕事の後に来たさやかは、若作りな格好で、年甲斐のないピンクのフリフリがついたセーターに白地に黒のチェック柄のミニスカートに黒いロングブーツを履いている。
その姿はとても痛いと言って良いほどである。
「承諾して頂きましたので、書類にサインをお願いします」
テーブルの上に出された書類を見て、さやかはフン! と小さく笑いを浮かべて、サッとサインをした。
「それでは控えのコピーを取らせてもらいますね」
そう言って席を立ってコピーを取る為、背を向けた奏弥。
さやかはニヤッと笑いを浮かべ、鞄から小さな小瓶を取り出し奏弥が飲んでいた珈琲のカップに瓶の中の粉を入れた。
コピーを終えた奏弥がもどってきて、控えをさやかに渡した。
「それではこれで示談が成立したことになります。慰謝料は、一括でお支払いされますか? 」
「ええ、いいわよ」
「そうしましたら、今月中に迫田さん側から要求されている慰謝料500万をお振込みして下さい。お振込み手数料は、貴女負担になります」
「わかったわ」
フッと一息ついて、さやかは出された珈琲を一口飲んだ。
それにつられて奏弥も、自分の珈琲を一口飲んだ。
珈琲を飲んだ奏弥を見て、さやかはニヤッと笑った。
「ぐふッ…」
突然口を押えて奏弥が苦しみだした。
「効いたわね…」
スッと立ち上がったさやかは、見下し目で奏弥を見た。
「残念だけど、慰謝料なんて支払わないわ。…あんたにも、迫田にも死んでもらうから」
奏弥はうめき声をあげて、その場に倒れこんだ。
「すごいわね。微量に使えば2週間で死に至るけど。多量に使えば即死なのね」
倒れていてる奏弥を見て、さやかは不敵に微笑み事務所から出て行った。