7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
斜め後ろに立っている黒いワンピースに身を包んだ背の高い女性。
顔立ちは洋風な感じで、金色の髪をショートヘヤーにして活発的な感じが受けるが、なんだか悲しげな目をしているように思えた。
「ど、どこから来たの? 全く気配を感じなかったから、驚いたよ」
ちょっとビクビクした声で尋ねた翔次。
「どうでもいいでしょう? アンタを殺しに来たのだから」
「殺すの? 僕の事を? 」
「ええ、そうよ」
「ちょ、ちょっとだけ待って」
恐る恐る、翔次は女性に振り向いた。
振り向いて見た女性は、間違いなく翔次に銃口を向けていた。
だが、ちゃんと女性の顔を見た翔次はズキュン! と、胸の中を撃たれたような衝撃を感じた。
綺麗な人…こんなに綺麗にな人、見たことがない…
それに…
女性を見ていた翔次が、ギクッと怯んだ目を浮かべた。
ヤバイ…嘘! こんなの初めてだ…。
何かモソモソしている翔次をみて、女性は ん? とした目で見た。
驚いた目をしつつも、翔次はどこか恥ずかしそうな目をしている。
なにを恥ずかしがっているのだろうか?
「あ、あの…僕を殺したいのは分かったんだけど。すぐに殺さないとダメ? 」
「はぁ? 」
「えっと…。1週間だけ、待ってくれない? そうしたら、君が望むとおり殺されてあげるから」
「1週間? その間に、私を警察に売るの? 」
「違う! 違う! そうじゃなくて…。その…初めてだから、君のような綺麗な人に出会ったの。だから…少しだけ、一緒にいたくて…」
なにを言っているの?
呆れたような目で女性は翔次を見た。
「あ、名前教えてほしいな。僕は、宗田翔次だよ」
「…桐野宮凜(きりのみや・りん)…」
って、なんで素直に名乗っているの? 私。
翔児を睨んでいた女性だったが、素直に名乗ってしまいちょっと戸惑った目を浮かべていた。
「凜さん。素敵な名前だね。…ねぇ、1週間だけ僕の彼女になってくれない? 」
「彼女? 」
「そう。僕、今まで彼女がいなかったし。恋愛もした事ないから。凜さんと楽しみたいんだ」
「バカ言わないで、あんたより年上よ私」
「え? そうなの? でもいいよ、歳なんて関係ないから」
殺されそうになって、銃口を向けている相手に対して彼女になって? なにを考えているわけ?
ちょっとイラっとして翔次を見ていた凜だが、じっとみているとなんとなく胸がキュンとなるのを感じた。
なんなの? この感覚…この人、すごく重たいものを背負っているような感じが受けるんだけど?