7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
写真だけではもったいないと言い出して、写真館の傍にあるチャペルで結婚式のまねごとをしようと言う事になりそのまま移動した。
真似事と言っても神父もいて、本格的な結婚式と変わらない。
誓いの言葉を述べ、指輪の交換まで進んだ。
祭壇に用意された指輪を見て、凛は驚いた。
真似事をしようと言いながら、指輪まで用意されているなんて準備が良すぎるのではないか? と思っていた。
翔次が優しく凜の手をとって、左手の薬指にはめてくれた。
シンプルなプラチナの指輪だが、サイズはピッタリだった。
凛も翔次の左手の薬指に指輪をはめた。
「それでは、誓いのキスを…」
え? そこまでやるの?
凛はちょっとドキドキしていた。
ゆっくりとヘッドドレスが開かれ、翔次の顔が近づいてくる…。
本当にしないよね? しても頬にするくらいだよね?
そんな気持ちで、凜がドキドキしていると。
ふわりと優しい翔次の唇が、凜の唇に降りて来た。
嘘…本当に口にキスしてきた…。
なんて暖かいんだろう…。
翔次の唇を感じて、凛は胸の奥からキュンと込みあがる何かを感じた。
写真を撮って、チャペルで結婚式の真似事をして。
あっという間に時間は過ぎて行き17時を過ぎていた。
夢のような一時だったと凜は思った。
普段着に着替えてリッチ―ルヒルズに戻る中、翔次は手を繋いでくれた。
彼女だから手をつなぐのは辺り前…かな?
駅前にやって来ると。
「姉ちゃん、ちょっとくらいつき合えよ」
酔っぱらっているのか、いやらしそうな中年男性が女性に絡んでいた。
よく見ると、その女性は今朝挨拶をして翔次の悪口を言っていた女性だった。
「やめて下さい! 離してよ! 」
「なんだよ、つれねぇなぁ。1回くらいいじゃねぇか」
嫌がる女性に絡んでいる男性は、強く女性の手を引っ張り連れて行こうとしている。
どうしよう…警察を呼んだ方がいいかもしれない…。
そう思った凜が携帯電話を手にした時。
「おじさん! やめて下さい」
ツカツカと翔次が男に歩み寄って行った。