7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「この銃を使って、宗田翔次の頭を打ちぬいて殺しなさい。そうしたら、アンタの両親の事は助けてあげる。私が作った特製の毒だから、解毒剤は私しか持っていないのよ」
「でも、そんな事をしたら私は殺人罪で捕まってしまいます。この銃を、どこで手に入れたのかも聞かれてしまいます」
「大丈夫よ。私がアンタのアリバイ証言をしてあげるから。第三者の証言が必要なら、それも用意してあげる。この銃は、宗田翔次を殺したら分からないように処分するから大丈夫よ」
「でも…」
「アンタ、両親が死んでもいいの? 」
「いえ、それは困ります…」
「だったら、さっさと殺してちょうだい。猶予は14日間よ、それを過ぎたらアンタの両親は死ぬわ。そして、アンタは宗田翔次を殺そうとした罪で逮捕される。ついでに、両親子毒殺した罪も被ってもらうわ」
なんて恐ろしい事を考える人なんだろう…。
凛は恐怖と、両親を殺されてしまう脅迫から翔次殺害を引く受けざる負えなかった…。
さやかは事実上の凜の姉。
事実上と言うのは、さやかは幸治連れ子だった。
幸治は弁護士で、友里は検察官だった。
真逆の仕事をしている2人だが、同じ大学だった事から飲み会で引き合わせがあり交際に至り幸治がプロポーズしたが、当時は独身だった友里は結婚に踏み出せなかった。
しかし、さやかが友里になついてくれた事から結婚を決め、入籍だけで結婚式はしなかった。
幸治と結婚した時、さやかはまだ4歳で「お母さんが欲しい」と言って友里が来てくれた事を大喜びしていた。
さやかの事を考えて子供は作らない方がいいと、友里は思っていたが、幸治は自然に任せようと言っていた。
さやかが6歳になった時、友里が妊娠して凜が産まれた。
さやかは妹が産まれてとても喜んでいた。
しかし大きくなるにつれて、さやかは凜を妬むようになり、邪魔をするようになった。
仕事が忙しく幸治は家にいる時が少なく、友里も幸治の仕事を手伝っていて帰りが深夜を回る事が多く家事全般は、さやかがやっていたが次第に凜におしつけるようになり自分は何もしなくなった。
中学から高校へ進学して大学に進学したさやかは、薬学部を専攻し薬剤師を目指したが試験に落ちてしまいあきらめ、看護学校へ行き直し看護師になった。
凛は高校から大学へ進学し、法学部を専攻して忙しい日々を送っていたが、さやかが家事を押し付けて来て勉強の邪魔をされていた。
それでも寝る時間を削って勉強していた凜は、幸治と同じ弁護士になった。
さやかの元を離れるべきだと思った凜は、弁護士になったと同時に家を出ようとしたが、さやかが暴れだし家を出れなくなりさやかの言いなりになっていた。