7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
それから…
ぽっかりと凜の記憶が途切れている。
何で空白なのだろう…
凜が疑問を感じた時、ズキン! と頭に痛みが走った。
この痛みは何だろう? 時々感じる痛みだけど…。
「どうしたの? 」
凜が頭を押さえていると、翔次は声をかけて来た。
「い、いえ…」
「なんだか痛そうにしているけど、大丈夫? 」
「大丈夫です。もう、おさまったので。すみません、時々強い痛みを感じてしまうのです」
凜が押さえている頭の部分に、翔次はそっと手を重ねた。
「凜さん…僕にも痛みが伝わって来るよ。…ここ、怪我したんだよね? 」
怪我…
確かにそうだけど、どうして怪我をしたのか分からなくて…。
「…鈍器で殴られたようだね。…もしかして、記憶障害か何かになってるの? 」
「え? 」
(軽い記憶喪失のようです。時間が経過すると、戻ってくると思いますので様子を見ましょう)
怪我をしたのは本当だ。
でも…
(あんたは邪魔! 消えて! )
怒鳴り声と共にきらりと光る何かが振りかざされ、強い痛みと共に意識を失った凜…気づけば病院にいた…。
目が覚めて、頭の痛みだけを感じて、どうして怪我をしたのか全くもいだせなかった。
ただ、怒鳴っていたのはきっとさやかに間違いないのは確かだった。
怪我が治ってからは、まるで奴隷のように扱われていた…。
ギュッと自分を手を握りしめた凜は、ハッとなった。
あれ? 私の手、こんなにツルツルだった?
自分の手を見て、凜は驚いていた。
ずっと皸は酷くて、ハンドクリームを買うお金もなく放置していた為、いつもガサガサの手だったが…皸はすっかりよくなりすべすべの手になっている。
「よかったね、皸良くなって」
え? どうしてそれを知っているの?