7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…

「許さないわ! 絶対に…」

 怒りを露にしたさやかを、幸治と友里は黙って見ていた。

 が…。 

「さやか。悪いが、今回の事は行き過ぎている行為だ」
 と、幸治が言うと、さやかはキッと睨みつけてきた。
「そうね。初めから、正直に名乗っていればまだいいかもしれないけど。明らかに騙しているもの」

 睨んでいたさやかは怒りが込みあがって来て、傍にあったテーブルを蹴飛ばした。

 幸治も友里も怯むことなくさやかを見ていた。

「さやか、悪いが前々から話していた事だが。養女縁組を解消してもらう」
「私達も、本当はそうしたくないけど。今までの数々の問題ある行動、そして、凛に対して虐待行為をしている事が明らかになっているから。これ以上は、この家に置いておくことはできないわ」

「虐待? 私が凜に何をしたと言うの? 今日だって、突然いなくなった凜が悪いんじゃないの! もういいわ! 勝手にしたらいいわ! 」

 プイッと怒って、さやかはそのまま出て行った。


 
 桐野宮家を後にした翔次は金奈総合病院へとやって来た。
凛の様態を聞くと、怪我は鈍器のような物で殴られていて出血が酷くあともう少し発見が遅ければ命にかかわっていたと言われたが、今は処置も終わって安定して眠っていると言われた。
 だが、怪我のショックで軽い記憶喪失になっているようで何故怪我をしたのか思い出せず、その前後に何があったのかも分からない状態であるとの事だった。
 時間が経過すると記憶は戻ってくると思われるが、今は刺激してしまうと混乱してしまう為、そっとしておくのがいいと言われた。
 
 遠目で凛の様子を見て翔次は、時期を待とうと思いそのまま帰って行った。

 しかし数日後に、翔次がお見合いの組み直しをしたいと連絡をすると幸治とも友里とも連絡が取れなくなっていた。
 幸治の事務所へ電話をかけてみると、2人共急性食中毒で運ばれて現在ICUに入っていると聞かされた。

 何か嫌な予感がする…
 そう思った翔次だった。

 それから間もなくした頃。
 さやかか偶然を装い翔次の前に現れるようになった。
 
 仕事に行く前や帰り道、お昼休憩で外に出てくると突然現れたり。
 何度も繰り返される事から、これはつきまとに始まりだと察した翔次は兄の奏弥に相談して探偵を雇い調べさせた。

 すると案の定。
 さやかは翔次を待ち伏せしていた。
 こっそり跡を着けて来たり、翔次がでてくるのをじっと待っていたりと、あきらかに着きまとい行為と証明された。

 その証拠を警察に提出した翔次。
 
 すると、ぱったりとさやかは姿を現さなくなった。
 諦めてくれたのかと思ったが。

 それから間もなくして凜が現れたのだ。
 あの拳銃を突きつけて…。

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