7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
翔次の話を聞いていて、凛は信じられない気持ちと、心の奥の方で納得できる自分がいた。
何故怪我をしたのかは分からない。
でも、記憶を失うくらいの怪我をして早めに病院に運ばれたのは確かだった。
プライドの高いさやかだから、お見合いを断られた事が悔しく翔次を殺してほしいと命令してきたのも納得ができる。
どうしたら良いのだろう…。
ここでやめてしまうと、父と母が死んでしまう…。
俯いたまま、凛はギュッと唇を噛みしめた…。
「凜さん、答えは焦って出さなくていいから。僕は、約束通りあと4日で殺されるから。そうしたら、凛さんは…幸せになれるのでしょう? 」
幸せに?
なれるわけない…殺してしまえば、私は…。
「幸せなんて…とっくに諦めていますから…」
一点を見つめて凜が言った…。
「私の幸せなんて…諦めています。…貴方を殺すと決めた時から…」
「そっか…。じゃあ、諦めないで幸せを掴んでみたらいいんじゃない? 」
ん? と、凛は翔次を見た。
「凜さんが望む幸せを、掴んでみようよ」
そっと手を重ねて来た翔次が、熱い目で凛を見つめて来た。
「幸せは諦めるものじゃないから。僕は、凛さんを幸せにしたいから」
「殺されると分かっているのに、幸せにしたいと言うのですか? 」
「うん。それが、僕の愛だから」
愛…?
凜にはイマイチ理解しがたかった。
だが…翔次を見ていると、なんとなくだが安心するのは確かだった。
「すぐに殺さなくてはならない理由が、きっと凜さんにはあるんだと思う。けど、僕の我がままで7日間待ってもらっている。こうして、一緒にいてくれる。僕が、お見合いの資料を見た時から感じていた凜さん通りだったよ」