7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
そんなるある日。
疾風が過労で倒れたと連絡が入った。
もう絶縁を決めている翔次は、会にはいかないと決めた。
だが、奏弥が何度も翔次の下へやって来て「一緒に行こう」と言われて、渋々会いに行った。
帰国して翔次が疾風も元へ行くと、随分とやせ細った疾風が病院のベッドの上にいた。
何を話したらいいのか分からず、黙っている翔次を疾風はギュッと抱きしめた。
「…翔次は、昔の父さんとそっくりだ。…翔次の名前は、昔、父さんがずっと心を閉ざして別人とし生きていた時に使っていた名前の一部をもらったんだ。悪い意味ではないけど、その時の父さんも覚えておき大切にしたかったんだ。…だから、もういなくなるのはやめてくれ。翔次も奏弥も大切な、父さんの子供なんだ…」
そう言って来た疾風は、弱々しかったが抱きしめてくれる腕の中はとても暖かかった。
とりあえず戻ろうと決めて、翔次は帰国を決めて宗田ホールディングに入社した。
初めは営業部に所属して、外回り営業で業績を上げて来た翔次だったが、入社から3年目で副社長に就任して欲しいと言われて渋々従った。
住まいは一緒に暮くらすのは嫌だと翔次が言うと、疾風が奏が使っていたマンションがあると言ってリッチ―ルヒルズを用意してくれた。
一人暮らしなのに贅沢すぎると思ったが、下手に逆らって物件を探しても連れ戻されてしまう事もある為言う通りにした。
戻って来て副社長になって翔次だが、周りからはナヨってとしていて頼りないと言われて、疾風に比べてイマイチな顔をしていると距離を置かれている。
駅前で翔次の悪口を言っていた女性も、社員の一人で現在は受付をやっている社員である。
翔次の話を聞いて、凜は自分と似ている部分があると感じた。
「私と似ている部分があるのですね…。私は、両親に逆らう事はできませんでしたが。ずっと、姉のさやかに虐げられてきました…」
「そうだったんだね。…でも、凜さんがそんなに辛い思いをしているのに。ご両親は何も言わなかったのかい? 」
「2人共忙しい人だったので、家にいない事が多く。時々、姉の事を相談しようとしたのですが。その後に、酷い仕返しをされるので言えなくなってしまいました」
「そっか。…大丈夫だよ、僕がちゃんと殺されれば。凜さんはもう、苦しみから解放されるから」
自分が殺されれば…何の根拠があってそう言いきれるのだろうか?
凜は不思議な感覚を受けた。