7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「ここで…」
駅前まで来ると凜は立ち止まった。
「電車で帰るの? 」
「え、ええ…」
答えた凜は、どこかよそよそしく目が泳いでいるように見えた。
そんな凜を、翔次はじっとみつめた…。
凛はシレっとしたまま黙っている。
「あ、あのさ。ポケットに、さっきのアレ持っているんだよね? 」
「そうだけど、何? 」
「ちょっとやばくない? もし、誰かに見つかったら銃刀法違反で捕まっちゃうよ」
「そんなヘマしないわ」
うん…でも…。
「やっぱりだめ! 」
翔次はシレっとしている凜の腕をギュッと掴んだ。
「このまま帰す事はできないよ。僕が送って行っていい? 」
「結構よ、そんな事」
「ダメ! だって、君は僕の彼女でしょう? 彼女を送り届けるのは、彼氏の役目だよ」
しつこいんだけど…さっさと帰ってよ…。
そう思う凜だが、黒ぶち眼鏡で見つめられると、なんだか胸がキュンとなってしまい…そんな言葉は言えなくなってしまった。
「ねぇ、凛さん。…本当は、電車で帰るんじゃないでしょう? 」
ドキッと目を見開いた凜は、悟られないようにシレっとしたままの表情を保っていた。
「なんだか凜さん、家に帰りたくないって目をしている。…違う? 」
なにこの人…どうしてそんなに、人の心にずけずけと入って来るの?
彼女って言っても1週間でしょう?
「僕の家に来る? 僕は一人暮らしで、5LDKのマンションに住んでいるから。部屋数もあるし、凜さん一人くらい来ても平気だよ」
「何で男の家に私が…」
「凜さんは、僕の彼女。彼氏の家に彼女が来るのは、当たり前だよ」
「…でも…」
「いいから行こう! そうしたら、1週間ずっと凜さんといられるから僕は嬉しいよ」
ニコニコと笑いながら腕を組んでくる翔次に、凛は着き離さなくてはならないと思いつつもそのまま一緒について行った。
なんで私、こいつのペースに巻き込まれているの?
こいつは…殺さなくちゃいけない奴なのに…。