7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
秘密の過去…
声をかけて来る奏弥に、凜はいつもシレっと答えるだけで近づく事を拒否しているようにも見えた。
時々、帰りが一緒になっても何も話そうとせず距離を置かれたままだった。
事務所に凜が所属して1年経過する頃だった。
久しぶりに凜へ国選弁護人の依頼の話が届いた。
女子高生を刺殺した医学生の弁護をお願いしたいと言われて、内容を聞いた凜は是非聞受けたいと思い、その依頼を引き受けた。
罪を認めている被告人だが、何かを隠しているようにも見え一方的な犯行だとは思えなかった凜は、その事件を詳しく調査してみた。
すると。
刺された女子高生との間に、被告人の同級生であった被害者の姉が絡んでいる事が判明してきた。
女子高生と交際していた医学生が、交際からの絡みで喧嘩になり女子高生を刺殺した経緯になっていたが。
実はそうではなく、刺殺された時刻に女子高生の姉がいたことが判明した。
医学生は必死にその事実を否定していたが、女子高生の姉が逃げてゆく所を目撃した者が現れたことから事実が逆転しそうだった。
そんなときだった。
法廷中に被告人が隠し持っていた毒を飲んで、その場で自殺した。
そしてそれと同時に、傍聴席にいた女子高生の姉も同じ毒薬を飲んで自殺した。
前代未聞の法廷での被告人の自殺は、法曹界を大きく揺れ動かした。
凛はその事でショックを受け姿を消してしまった。
法曹界では凜をバッシングする者もいたが、次第に凜が賢明に真実を調べようとしていた事が分かり、バッシングは擁護に変わって行った。
被告人が自殺した事で中断されたが、被告人死亡のまま判決が言い渡された。
その判決は「無罪」だった。