7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
女子高生を殺害したとされていた被告人は、実は女子高生の姉を庇って犯人になっただけだった。
女子高生の姉はずっと医学生が好きで交際を迫っていたが、医学生は妹の方を選んだ。
まだ未成年で女子高生の妹が18歳になり、いろんなことが解禁されて来た事から交際がどんどん進展して行く事を姉が嫉妬していた。
ある日。
妹が医学生の家に入って行くのを見た姉は、嫉妬心が爆発してそのまま乗り込んでいった。
そして口論になり、医学生の家にあった包丁で妹を刺殺した。
だが、医学生は姉を庇って自分が刺した事にするから逃げて! と言って、姉を逃がしたのだ。
逃がした理由は不明のままだったが、妹から姉へ気持ちが変わっていたのかもしれないと言われていた。
ショックを受け姿を消した凜を、暫くの間は幸治が匿っていた。
ほとぼりが冷めるまで、暫く海外にある自分の事務所へと逃亡させていた。
時が過ぎ2年経過して凛は帰国してきた。
もう弁護士には戻りたくない凜は、目立たないように証券会社で事務員の仕事をしていた。
そんな時だった、幸治が凜にお見合いの話を持ってきて翔次とお見合いが決まったのだ。
だが、そのお見合いはさやかの手によって潰されてしまった。
奏弥はいなくなった凜をずっと心配していて、水面下で探していたが、見つからないままだったのだ。
翔次を話しを経て奏弥は帰って行った。
「さて、僕はこれから仕事に行くから。凜さんは、ゆっくりしていてね」
いつものようにニコっと笑ってくれる翔次に、凛は詳しい話は知りたくないのか? と思った。
仕事に行く準備をして、玄関に向かった翔次を凜は見送りに来た。
「それじゃあ、行ってくるから」
そう言った翔次をじっと見つめる凜…。
「凜さん。僕は、信じているから大丈夫だよ。後4日だけど、この時間はとても貴重だから」
「…はい…」
「何も心配しなくていいよ、話したくなったら聞かせてね」
じゃあ、と手をあげて翔次は出て行った。
信じている…そんな事を言えるなんて…。
リビングに戻って来た凜は、ため息をついてそのままソファーに座り込んだ。
まさか翔次と奏弥が兄弟だったとは。
世間が狭いのか、何かの巡り合わせなのか不思議なものだ。
記憶が曖昧な凜だが、あの事件の事は鮮明に覚えている。
それ故に自分はダメな人間だと思い込んでた。
さやかの言いなりになり、奴隷のように家事をさせられていても自分への戒めだと思っていたのだ。
無事でよかったと言った奏弥は、とても優しい目をして凜を見ていた。
その目に凜は確かに覚えがある。
同じ事務所の同僚だった…それだけではないような気がする…。