7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
凜は翔次にお弁当を届けに来た。
しかし受付で…。
「なにオバサン。副社長に何の用? アポが無いと、会えないことくらいしらないの? 」
受付に派手なメイクと髪形で、ピンク系のジャケットに超ミニの赤いスカートを履いた女性がいた。
その女性は翔次の悪口を言っていて、男に絡まれていた所を助けられた女性だった。
名札には「林亜紀(はやし・あき)」と書いてある。
「いえ、忘れ物を届けにきただけなので」
「忘れ物? 」
凛はお弁当を見せた。
すると亜紀は鼻で笑った。
「ちょっとオバサン、今どき古いんじゃない? お弁当作ってきました、食べて下さいって。それ、高校生がやることじゃん。そんな不味そうなお弁当、誰が食べるの? キモイんだけど」
「…そう…ですね…」
「副社長は、オバサンみたいなキモイ人相手にしないよ。私、副社長と婚約しているの」
言いながら左手を見せた亜紀。
中指にはオシャレなダイヤの指輪がはめられていた。
「これね、副社長から婚約指輪でもらったのよ。だから、オバサンの入る場所なんかないから。さっさと帰ってよ! 」
小さく頭を下げて、凛はそのまま帰って行った。
凛が帰る時、席を外していたもう一人の受け付け嬢が戻って来た。
亜紀のやり取りを見ていた受け付け嬢は、直ぐに副社長室に電話をかけた。
お弁当をもったまま、凛は小さく項垂れながら歩いていた。
私なんかオバサンだよね。
あの人は若いし、殺す目的で一緒にいるだけなのにお弁当を届けるなんて出しゃばって…私バカみたい…。
「待って下さい! 」
声がして凜は足を止めた。
「よかった、間に合って」
翔次の声ではないけど、誰?
そう思いながら凜が振り向くと、そこには疾風がいた。
振り向いた凜を見た疾風は、嬉しそうに目をほころばせた。
「…もしかして、桐野宮凜さんですか? 」
え? どうして私の名前を知っているの?
初めて会う人なのに…。
「すみません、私は宗田ホールディングの社長の宗田疾風です。副社長の翔次の父親です」
お父さん。
似ていないような気がするけど…でも、どうして私の事を知っているの?