7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
金奈総合病院。
救急車で運ばれた翔次は金奈総合病院へ運ばれた。
付き添って来た凜に病院側から続柄を聞かれた事から、婚約者と答えた。
疾風からも婚約者として付き添ってと言われていたのだ。
医師から聞かされたのは翔次の病気の事だった。
翔次は風邪を引いて肺炎になり、無理を重ねた様で肺を痛めてしまったようだ。
その時に安静に休息しておくように指示があったようだが、仕事を優先して無理を重ねていた事から肺に穴が開いたようだ。
まだ小さな穴ではあるが、これ以上無理を重ねると即死してしまう程悪化している状態。
医師からは即入院して、しっかり静養するように言われているが、翔次はそれを拒んた。
だが、ここ1ヵ月の間で何度も吐血している事から医師から強制入院の支持がでた。
どうしても仕事がたまっていると言って、時間をもらっていた翔次は来週から入院する事が決まっていたが、様態が悪化するようであれば即入院してもらうと言われていた。
入院して完治するわけでもなく、医師からは余命宣告も受けていたようだ。
疾風から金奈総合病院に名医がいると、紹介状をもらったが断っていたのは、別の病院で治療を受け手遅れだと知っていた事からだったようだ。
翔次の受診歴から、改めて検査をしたが結果は同じだったようだ
病室に移された翔次が目を覚ましたのは夕方になる頃だった。
傍に付き添っていた凜が、少しウトウトとしていると、目を覚ました翔次がそっと手を握ってきた。
翔次の手が重なるとハッと目を覚ました凜。
翔次と目と目が合うと、どこかホッとして凜の目が潤んできた。
「ごめんね…心配かけてしまって…」
まだ力ない声で翔次が言うと、凛はそっと首を振った。
「何も心配しなくていいから、あと3日だけど。傍にいてね」
「…あと…3日だけでいいのですか? 」
え?
ちょっと驚いた目を向けた翔次を、潤んだ目で見つめて来た凜…。