7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「すみません。…貴方を殺す為に、私は傍にいるだけである事は承知しております。でも…貴方の事を、本当は殺したくない自分がいる事に気づいてしまったのです…」
潤んでいる凜の目を見ていると、翔次の目も潤んできた…。
「凜さん…」
両肘をついて半身を起こした翔次は、そのままギュッと凜を抱きしめた。
「…僕もずっと、凛さんと一緒にいたい…。怪我をした凜さんを助けた時、やっと見つけた人だと思ったから。…この人に会いたくて、僕はずっと待っていたってそう思えた…」
ギュッと抱きしめてくれる翔次の腕の温もりは、凜にとってとても心地よく感じた。
だが、その温もりの向こうでなにかもう一つ違う温もりを感じていた。
とても懐かしいような温もり…でも、翔次と似たような感覚がある…。
(あんたは邪魔! 消えて! )
怒鳴り声が頭の中に響いて来て、凛はハッとなった。
スーツを着て準備をしていた凜の前に突然現れたのは、さやかだった。
「あんた、邪魔! 消えて! 」
言葉と同時に振りかざされた鈍器で、頭を一撃された凜は痛みでその場に倒れた。
さやかはそのまま凜を引きずって外へ運んだ。
庭に出てくると、物置まだ引きずって連れて行きそのまま凜を放り込んで扉を閉めたさやかは、勝ち誇ったように笑いを浮かべた。
「あんたなんか、死ねばいいのよ! あの人と結婚するのは、私よ。私が桐野宮凜として、結婚して将来は社長夫人になるわ」
高笑いを浮かべてさやかはその場を去って行った。
物置に閉じ込められた凜は、さやかの声を遠くに聞きながら痛みととともに意識が薄れてゆくのを感じていた。
このまま死んでしまうのだろうか?
手足に力が入らず、だんだんと冷たくなってゆくのを感じながら凜はただ暗闇が広がってゆくのを見ているだけだった。