7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…

 どのくらい時間が経過したのか分からない時。
 パッと光がさしてきて、ゆるゆると目を覚ました凜の視界に入って来たのは翔次の顔だった。

 何か声をかけているが、何を言っているのか分からない…。
 でも名乗らなくては…
「…凜です…私…」

 意識が薄れゆく中で力なく名乗った凜を、ギュッと抱きしめてくれた翔次。

「大丈夫だよ、助けるから。心配しないで」
 優しい声が耳に届いて来て、凜は意識を完全に失った。


 気が付けば病院にいて、どうして怪我をしたのかが空白になっていた。
 ただ優しい声が聞こえて来て助けてくれたことは、うっすらと覚えていた。


 退院してから、幸治も友里もいなくなっていてさやかだけが家にいた。
 2人は入院したと言われて、さやかが特製の毒を盛ったと言って来た。
 2人の命を助けたければ、宗田翔次を殺せと言われて拳銃を渡された凜。

 何も分からない空白がある中、両親を助けなくてはならないと言う意思だけで翔次を殺害するためにあの夜やってきた凜。


 夜空を見上げる翔次の後姿を見た凜は、何故か胸がキュンと鳴ったのを感じた。

 銃口を向けて翔次に近づいてゆく凜だったが、何となく背中に寂しさを感じた。

(この人が何をしたのだろう? )

 そう思いながらも、翔次の首に銃口を突きつけた凜だった。
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