7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
着替えを済ませた凜がリビングに来ると、奏がちょっとだけメイクをしてくれた。
日頃はあまりメイクをしない凜だが、奏が軽くメイクをするとパッと明るくなり輝いて見えた。
「凜ちゃん、とっても素敵ね。きっと、翔次が大喜びするわよ」
「あの…」
「ん? どうかした? 」
何かを言いかけた凜だが、そのまま言葉を飲んでしまった。
実は翔次を殺す為に一緒にいただけである事を、正直に言おうとした凜だったが
嬉しそうな奏を見ていると言えなくなり言葉を飲んでしまったのだ。
「さっ、そろそろ行きましょう。翔次が首を長くして、待っていると思うわ」
「はい…」
その頃。
金奈総合病院へ平然と出勤してきたさやかがいた。
看護師には相応しくない派手な柄のミニスカートで、赤いハイヒールを履いて、黒革のジャケットを羽織って出勤してきたさやか。
周りの看護師達は質素な格好で出勤してきている中、さやかの格好は目立っているが顰蹙を買っているようだ。
人目を気にせず出勤してきたさやかの前に、複数の警察官が現れた。
ん?
と、警察官を見て立ち止まったさやか。
「谷塩(たにしお)さやかだな? 」
谷塩…それは、さやかが施設にいた時の苗字である。
桐野宮ではなく谷塩と呼ばれ、さやかは驚いた目を向けた。
「殺人容疑、並びに桐野宮夫妻殺人未遂の容疑で逮捕状が出ている。署まで同行してもらう! 」
逮捕状を見せた警察官は、さやかに手錠をかけた。
「どうゆう事? 私は何もしていないわ! 」
「証拠の動画が送らて来ている。昨夜も、入院患者に毒薬を注射した動画が届いている」
「知らないわ! 何の間違いよ! 」
「話しは署で聞く! 」
「なんなの? 人違いしているわよ! 私は、桐野宮さやか。谷塩なんて苗字じゃないわ! 」
「お前はとっくに、桐野宮家から養女縁組を解消されている」
さやかを連れて行きながら警察官が言った。
他の看護師や医師達が、さやかが連れて行かれる姿を見て騒然としていた。