7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
サヨナラの代わりに…
その晩はちょっと遅い時間まで2人で話していて、一緒に手を繋いで寝る事にした。
入院した直後でもある為、翔次の身体を考え手を繋いで寝る事にしたが、それだけでもとても安心できた。
だが、翔次の手の温もりの向こうに同じ温もりをまた感じた凜。
(好きです…。だめですか? こんな年下の俺じゃ…)
ぼんやりとして誰なのか判らない人が、凛に告白してきた。
(からかっているだけでしょう? 私が、この歳にもなって結婚もしていない。男もいないから)
シレっと凜は相手を突き放した。
(やっぱり、そう見られてしまうのですか? 俺みたいな、年下だと…。俺、今までずっと恋してはダメだと思い込んでいたから。誰とも恋愛したこともないし、誰かを好きになった事もなくて…。初めてなんです、こんな気持ち…)
(初恋で錯覚しているだけ。すぐに覚めるから)
(錯覚じゃないよ。だって…桐野宮さんに出会ってから、ずっとこの気持ち変わらないから…。もう、2年だよ…)
そう言って凜の手を握ってい来た相手の温もりは、翔次と同じだった。
翔次とは口調が違うし、タイプが真逆の人。
2年もずっと好きだなんて、とても一途な人なのだろうか?
ぼんやりと夢に出て来た出来事に、凛はよく分からない気落ちが込みあがっていた。
翌日。
先に目を覚ました凜が朝食を作ってくれた。
シンプルな和食を2人で食べる、そんな朝が幸せだ。
「あのさ、凛さん。やっぱり、僕の両親にちゃんと会ってもらえるかな? 」
「それは…もういいと思ういます。先日、宗田家に泊めて頂きましたし。…あと2日もない事ですから」
「そっか、凜さんがそう言うなら無理には言わないよ」
「すみません」
「いや、もう何も心配する事はないからね」