7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「構わないよ、殺してくれて。もう、約束は果たせたし。元々、殺されるって事だったから。好きにしたらいい」
「へぇー。死ぬ事が怖くないんだ、あんだ。珍しいわね。みんな、死ぬ事が怖くて病院に縋って来たり薬に縋ったり。中には宗教にしがみつく人もいれば、妄想の世界にしがみつく人だっているのに。自ら死んでゆく世界を、望むなんてどうかしているんじゃなくて? 」
「言いたいことは、それだけかい? 」
翔次を睨みつけたさやかは、引き金に指をかけた。
「死んで後悔しなさい! 私を選ばなかった事をね! 」
ズキューン!!
銃声が響き渡り、辺りが騒然となった!
社長室で仕事をしていた疾風も、突然の銃声に仕事の手を止め窓の外を見た。
窓の外を見ると、人だかりが見え緊急車両のサイレン音が響いて来た。
目を凝らして見た疾風は、倒れている翔次の姿に気づいた。
「翔次? どうゆう事だ! 」
血相を変えて社長室を出て行った疾風は、急ぎ足でエントラスへ向かった。
銃を撃ったさやかは、茫然と佇んでいた。
通り行く人が悲鳴を上げて立ち止まる中、撃たれて倒れている翔次がゆっくりと顔を上げた。
「…約束通り…殺されたから…。もう、凜さんは解放される…」
視界がぼんやりとなる中、駆け寄ってくる足音が聞こえて来た翔次は視線だけ足音の方へとむけた。
「翔次! 」
叫びながら駆け寄って来たのは疾風だった。
「翔次! しっかりしろ! どうしたんだ? 」
撃たれた翔次を疾風が抱きかかえた。