7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「今夜はどうしますか? 翔次の家に戻りますか? 」
「いえ、自分の家に戻ります」
「それじゃ、送って行きます」
「一人で帰りますから…」
「こんなに夜遅くに、女の子一人では帰せません」
女の子? 私の事を子供扱い?
ちょっとムッとして凜は奏弥を見ていた。
「あ、ごめんなさい。決して、子供扱いしているわけではありません。ただ…心配なので…」
何となく心の中を見透かされたような気がした…。
この状況は、以前にも同じことがあったような気がする…。
「家はどちらですか? 送りますから」
「奏弥」
後ろから声がして振り向くと、疾風がいた。
「父さん、どうかした? 」
「いや、凜さんに今夜も我が家に来てもらおうと思って」
凜はそっと顔を背けた。
「翔次の家に行っても辛いだろうし、自分の家に帰っても誰もいないだろうから。一緒にいてもらいたいと、思って」
どうして、そんなにみんな優しくしてくれるの?
私なんかに…優しくしなくていいのに…。
顔を背けていた凜の頬に、スッと涙が伝った…。
「桐野宮さん、俺も一緒に行くから。父さんの言う通りに、してくれませんか? ずっと、翔次と離れてくらしていたから。翔次と一緒に暮らしていた、凜さんと一緒にいたいんだと思います」
凜は迷っているようで、どう返事をしていいのか分からないようだ。
そんな凜の手を、奏弥がギュッと握った。
「…分かりました…」
複雑な気持ちのまま、凛は宗田家に再び行く事にした。