7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
翔次はそのまま葬儀会館へ送られる事になった。
明日の夜にお通夜で、翌日が葬儀になる。
奏弥と奏は凜を連れて宗田家に向かった。
疾風は仕事が途中だったことから、一度職場に戻ってから帰宅すると言った。
戻って来た疾風は副社長室へ向かって、翔次の荷物を整理した。
何となく綺麗に整っているデスク。
引き出しの中には引継ぎがすぐにでもできるように、細かく書かれたノートが数冊入っている。
そして1通の封筒が入っていた。
封筒の宛名には「宗田疾風様」と書かれていた。
畏まったあて名書きに、ちょっと緊張しながら疾風は中を見た。
(ずっと我がままで、迷惑ばかりかけていた事を許して下さい。ずっと本当は寂しくて、でも兄貴が大変だから甘えてはいけないと我慢してきました。そしてやり場のない怒りを外に向けていました。大人になって自立したら、家を出る決意をして行くへをくらます予定でしたが、兄貴がどうしても追いかけてくる…。そんな思いの負け、副社長になったことを後悔し引ているわけではありません。…この手紙を見る時、僕はこの世にいないと思います。僕の病気はもう治らない、だから残された時間を許される限り心から愛した人といたかっただけです。…実は凜さんとは入籍しています。なので、僕が受け継ぐ財産は全て、凜さんに託して下さい。あのマンションも、僕がいなくなっても凜さんが自由に使えるようにして下さい。凜さんは、お見合いする予定だった人。でも、僕は本当に心から凜さんを愛しています。残された時間で、どれだけで来たのか分かりません。満足にしわ背にはできなかったかもしれません。それでも、僕は充分に幸せでした。何も悔いはありません。許してもらえるなら、これからも凜さんを宗田家に一員として守って下さい。それが、僕の最後の願いです。そして、この先、凜さんが幸せになる事を心から祈っています。僕の他に好きな人が出来ても遠慮しないで、素敵な恋をして下さい。そうなったとしても、決して宗田家から見放したりはしないで下さい。…もっと、父さんと母さんと兄貴と一緒にいたかった…どんな形の死に方をしても、僕が選んだことです。誰のせいでもありません。それだけは分かって下さい。…有難うございます…)
丁寧な文字で綴られた翔次からの遺言だった。
「翔次…お前は宇宙一の息子だ。安心しろ、凜さんの事は一生かけて護るから…」
目にいっぱいの涙をためている疾風…。
翔次の荷物をまとめて段ボールにしまい終えると、そのまま疾風も帰って行った。