7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「…今夜だけ…一緒にいて下さい…」
震えるような声で凛が言った。
「どうして、今夜だけなんて言うのですか? ずっと、一緒にいてはいけませんか? 」
「…ずっとはいられません…。今夜だけで、いいですから…」
ずっとはいられないと言う凜の言葉に「どうして? 」と聞きかった奏弥だったが、今は聞く時ではないと思いそれ以上は聞かなかった。
そっと、凛の頬を両手で包み込んだ奏弥は、そのまま凜の唇にキスをした…。
ちょっと震えた様な、ぎこちないキスだが、とても優しくて暖かい唇に凜の頑なな心も扉を開けてゆくように感じた。
その後。
奏弥は自分の家に凜を連れてきた。
奏弥の家は駅からすぐ近くにある2LDKのマンション。
オートロックで周りの環境のすごくよく、コンビニも近くにあり、スーパーも近くにある。
少し歩けば飲食店もありテイクアウトも出来る。
マンションは5階建てで、奏弥は最上階の5階に住んでいる。
男性の一人暮らしで殺風景な感じだが、掃除が行き届き綺麗にかたずけてある。
リビングには食卓と、小さなソファーとテーブルが置いてあり、初期だなには食器が随分と揃ていて調理器具も豊富に揃っている。
リビングの奥に8畳くらいの広い洋室があり、奏弥はその部屋をメインに使っている。
隣にも同じくらいの広い部屋があるが、その部屋は物置のようになっていてクローゼットと押し入れと、本棚がおいてあり、殆どカーテンも開けていないようだ。
凜を連れてくると、奏弥は軽くお茶を出した。
アルコールでもよかったが、ちょっと落ち着いた方がいいような気がして緑茶にした。
ソファーに座ってお茶を飲んだ凜は、まだ酔いは冷めていないようだがさっきよりは落ち着いていた。
特に会話をしないまま、奏弥は凜の隣に座っていた。
「…私…ずっと、姉に虐待されているのです…」
黙っていた凜がボソッと言った。
「お姉さんに? どうして? 」
「姉と言っても、血が繋がらない姉です。父と母が、結婚して子供ができないと思い施設から養女に迎えた人です。でも、姉を養女に迎えてから私が産まれました。その為、姉は私の事をずっと恨んでいます。私が産まれて来たから、自分が愛されなくなったと言って…」
スルっとジャケットを抜いた凜。
ジャケットを脱ぐと、凜の身体が随分とほっそりしているのが判る。
ブラウスの首元から見える鎖骨は、とても骨ばっている。
「父も母も忙しくて、話を聞いてくれませんから。姉の事を話すことができません…」
言いながらボタンを外して、サラッとブラウスを脱いだ凜。
ブラウスを脱いだ凜は、まるで病人の様に痩せていた。
清楚な白いキャミソールの下には、可愛いピンクの下着をつけているのが判るが、鎖骨より下の胸の部分や、腕や背中などに数々の痣があり切り傷も残っていた。
その体を見ると、奏弥の胸がギュッと痛みを感じた。
「…こんな体…誰にも見せる事はできません。…でも、今夜だけ…貴方になら…見せてもいいって思えました…」