7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「どうなっているの? …バーで飲んでいて…そこから何も覚えていない…。ここは、誰の家なの? 」
どうやら凜は記憶が飛んでいるようだ。
そのままベッドから出て、傍に置いてあった自分の服を慌てて着た凜は、鞄を持ってそのまま玄関へ向かった。
玄関まで来る途中、浴室からシャワーの音が聞こえた。
キュッとシャワーが止まる音がした。
ヤバイ! 出てくる!
焦った凜は、慌てて靴を履いた。
「あれ? もう起きたのかい? 」
浴室から声がして凜はそのまま玄関を出て、急ぎ足で去って行った。
「ん? 」
玄関が閉まる音がして、タオルを巻いた奏弥が浴室から出てきた。
「もう帰ったの? 」
リビングに来ると時刻は朝方の5時を指していた。
「こんなに早く帰っちゃったんだ」
ふと、テーブルの上を見るとネックレスが置いてあるあるのが目に入った。
「あ、忘れ物だ…」
ネックレスを手に取った奏弥は、そのネックレスからとても暖かいエネルギーを感じた。
「また会ったときに、返したらいいかな」
そんな軽い気持ちでその日はそのまま、いつも通りの一日が始まった。
事務所に行っても凜とは会う事がなく、その後は大問題になったあの裁判が始まり、凛と話せる機会が設けられず何も話すことができないまま離れ離れになってしまった奏弥。
後に、凜があの夜の事を覚えていない事が分かった。
想いを伝えあった筈なのに、凜は前よりずっと素っ気なく奏弥に近寄ろうともしなかった。
同僚の一人が凜に用事があり、電話をしても凜が出なかった為、どうしたのか尋ねると「一人で飲んでいたのですが、その後の記憶がないので。飲みすぎて、そのまま家に帰ったと思います」と話しているのを耳にした奏弥。
もしかしてかなり酔っていて、記憶が飛んでしまったのかもしれないなぁ。
そう思いながらも、ちょっと残念な気持ちがあったが凜への想いは変わる事がなく忘れていてもずっと好きでいようと決めた。
その後。
奏弥が凜と再会したのは、翔次の家でだったのだ。