7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
再会から蘇るもの
4年後…。
桜がチラチラと散り始めた4月。
高級車でオフィスビルに横づけして、後部座席から降りてきたビシッとした紺色のスーツに身を包んだ青年が降りてきた。
4年経過して副社長へ就任した奏弥だ。
すっかり大人の男性へと成長した奏弥は、奏とそっくりな顔立ちになってきて美形のイケメンと言われている。
元弁護士だったこともあり、鋭い観察力と洞察力て仕事をこなしており、業績も右肩上がりだ。
「おはようございます。副社長」
丁寧な挨拶で出迎えたのは、副社長秘書である末盛祥子(すえもり・しょうこ)32歳。
社員として総務で長年勤務してきたが、秘書検定を取得して副社長秘書として勤務する事になり2年経過した。
誰もが振り向く可愛い系のお嬢様で、末盛財閥の長女でもある。
奏弥とは大学が一緒で同級生でもあり、久しぶりに再会に話が弾んだようだ。
歩きながら奏弥にスケージュールを伝えている祥子。
エントラスまで歩いてくると、受け付け待合室で疾風が誰と話している姿が目に入った。
ん? と、奏弥は何気に気になり立ち止まった。
「副社長、どうかされましたか? 」
「あ、いや。悪いけど、先に行ってもらえるかな? 」
「はい、分かりました」
祥子は先にエレベーターへ向かって、副社長室へ向かった。
奏弥はそのまま待合室へ向かって歩いて行った。
「そこを何とかお願いしたいんだ、頼むよ」
疾風が必死に何かをお願いしているようだ。
疾風の前にはスラっとした背の高い女性が立っている。
金色の長い髪を片方で束ねて、清楚な雰囲気の女性は爽やかなブルーのジャケットに黒い膝丈のフレアスカートを履いて黒いパンプスを履いている。
「困ります、そんな事を言われても…」
女性の声を聞くと、奏弥はドキッと胸が高鳴った。
「どうしてそんなに、私の事を避けるのだ? 私は、今でも君を家族だと思っているよ。凜さん」
凛さん?
奏弥の目が喜びに溢れてきた。