7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
その足音に気づいて、凛はハッとなり振り向いた。
立ち止まっている奏弥と目と目が合い、サッと顔を背けて凜は足早に去って行った。
「あ…待って! 」
去ってゆく凜を奏弥は追いかけた。
「ちょっと、待って! 」
追いかけてくる奏弥の声に、凜は歩く速度を速めた。
「ねぇ、待ってよ! どうして行っちゃうの? 俺達、親戚同士だろう? 」
って、そんな言葉言ったら逆効果だよな。
ここで逃がしてしまったらだめだ!
奏弥は走り出した!
あ…俺、走っても平気になったんだ。
全然苦しくないよ。
「捕まえた! 」
ギュッと後ろから抱きしめて、凜を捕まえた奏弥。
あれ…随分痩せている? どうして?
捕まえられた凜は息を切らせていた。
「大丈夫? 」
尋ねられると凜はこくりと頷いた。
「ごめんなさい…」
小さく謝った凜。
「何に謝っているんだい? 」
「…約束守れなくて…」
ギュッと唇を噛んだ凜は、少し震えていた。
その震えを感じると、奏弥の胸がまたキュンと痛みを感じた。
「何かあったのか? 」
「…はい…」
「じゃあ、話を聞かせてくれるか? 」
「後日でいいでしょうか? そろそろ帰らないと、いけませんから」
「分かった。じゃあ、家まで送るから」
「いえ、大丈夫です。すぐ近くなので」
「近くってどこ? 」
言いずらそうな顔をして、凛は俯いた。
「とりあえず送るから。家を知ったからと言って、押しかけたりしないから安心して」
観念したかのように頷いた凜は、奏弥に送ってもらう事にした。