7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…

 その足音に気づいて、凛はハッとなり振り向いた。

 立ち止まっている奏弥と目と目が合い、サッと顔を背けて凜は足早に去って行った。

「あ…待って! 」

 去ってゆく凜を奏弥は追いかけた。



「ちょっと、待って! 」

 追いかけてくる奏弥の声に、凜は歩く速度を速めた。

「ねぇ、待ってよ! どうして行っちゃうの? 俺達、親戚同士だろう? 」

 って、そんな言葉言ったら逆効果だよな。
 ここで逃がしてしまったらだめだ!

 奏弥は走り出した!

 あ…俺、走っても平気になったんだ。
 全然苦しくないよ。

「捕まえた! 」

 ギュッと後ろから抱きしめて、凜を捕まえた奏弥。
 
 あれ…随分痩せている? どうして? 

 捕まえられた凜は息を切らせていた。

「大丈夫? 」
 尋ねられると凜はこくりと頷いた。
「ごめんなさい…」
 小さく謝った凜。

「何に謝っているんだい? 」
「…約束守れなくて…」

 ギュッと唇を噛んだ凜は、少し震えていた。
 その震えを感じると、奏弥の胸がまたキュンと痛みを感じた。

「何かあったのか? 」
「…はい…」
「じゃあ、話を聞かせてくれるか? 」
「後日でいいでしょうか? そろそろ帰らないと、いけませんから」
「分かった。じゃあ、家まで送るから」
「いえ、大丈夫です。すぐ近くなので」
「近くってどこ? 」

 言いずらそうな顔をして、凛は俯いた。

「とりあえず送るから。家を知ったからと言って、押しかけたりしないから安心して」

 観念したかのように頷いた凜は、奏弥に送ってもらう事にした。
< 92 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop