7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
奏弥の住んでいるマンションから歩く事10分。
ちょっと古くなったようなアパートが立ち並んでいる一角がある。
集合住宅のようで同じよう建て具合のアパートで、ちょとした遊具もあり子供が遊べる場所がある。
「ここで結構です。有難うございました」
奏弥はアパートを見た。
こんな場所に住んでいるのか? 翔次から受け取った保険金もあるのに、何故だ?
「凜さん。父さんも言っていたけど、凛さんは宗田家の人間だから。困った事があれば、いつでも頼て来ていいんだよ」
「有難うございます。…すみません、ご心配をおかけして…」
「ねぇ凜さん。1つだけ、教えてくれないか? 」
「はい」
「あのマンションに来ていたのは、誰か知り合いがいるから? 」
尋ねられると、凜は少し困った目をした。
「いえ…。あのマンションに、行った事があるので時々見に行っているだけです。…酷く、酔っていて何故あのマンションに行ったのか全く覚えていませんが。…何となく、あのマンションい強い想いがあると思ったので。忘れられなくて…」
やっぱりそうだったんだ。
お酒に酔っていて覚えていなかっただけなんだ。
でも、忘れられないのはやっぱりあの夜の気持ちは本心だったからだよね。
「そうだったんだ。俺はあのマンションに、住んでいるんだ」
「え? 」
「あんまり父さん達に甘えたくないって思って、一人暮らししているんだ。もし、またあのマンションい来たら。いつでも声かけてよ、俺が住んでいるのは11階だから」
11階?
まさか…違うわよね、今住んでいるだけだもの。
「はい…その時は、お声かけますね」
そっと会釈をして凜は去って行った。
去り行く凜を奏弥はずっと見ていた。
古びたアパートの一室へ向かって行く凜。
5階建てのアパートの5階の角部屋に入って行った凜。
そこ部屋はすでに灯りがついていた所を見ると、誰かと一緒に暮らしているようだ。
「もう4年経過しているんだ。新しい出会いがあっても、不思議じゃないな」
少し寂しげな目を浮かべて、奏弥はその場から去って行った。