7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
奏弥がマンションに戻ってくると。
「副社長、お疲れ様です」
マンションの傍に祥子がいた。
「末盛さん。どうしたんですか? 家はこの辺りじゃないですよね? 」
「はい。近くに友達が住んでいますので、今日は立ち寄ったのです。帰ろうとしていたら、副社長の姿見えたので声をかけました」
「そうなんですね」
「副社長、夕飯これからですか? 」
奏弥が持っているコンビニの袋を指して祥子が言った。
「ああ、ちょっと寄り道してたから」
「そうなんですね。私もいまからなんですよ、よかったら一緒に食べませんか? 」
そう言いながら祥子も持っているコンビニの袋を見せた。
「せっかくだけど、家に帰ってからやる事が沢山残っているのでごめんなさい」
「そうなんですね」
「じゃあ、また会社で」
奏弥はそのまま去って行った。
去り行く奏弥の姿を、祥子はじっと見ていた。
なんとなく後ろに視線を感じた奏弥。
祥子の視線を感じた奏弥は、なんとなく嫌な感じを受けオートロックで入ったマンションの入り口で暫く様子を見ていた。
祥子はマンションをじっと見ていたが、暫くして諦めたのかそのまま去って行った。
祥子の去ってゆく姿を確認した奏弥は、そのままエレベーターに乗った。
最近、証拠は急激に奏弥に近づいてくるようになった。
秘書になったばかりの頃は、婚約者がいると聞いていたが、暫くして婚約者が亡くなったと他の社員が話しているの耳にした。
真相は不明だが、その噂から半年経過した頃から祥子は奏弥に急接近してきている。
偶然の装って帰りに待ち伏せしていたり、お昼休みになると後ろから後を着けて来て外食する奏弥と同じ店にわざと入って来たり、時折りマンション付近をウロウロしている祥子を見かけたこともあった。
財閥のお嬢様で、不自由なく育っている祥子は学生時代も非常に我がままであると言われていた。
好きになった人にはとても一途であるが、別れを告げられると逆上する事もあると言われていた。
奏弥はあまり好感を持てない祥子と関わらないようにしていたが、まさか秘書として現れるとは思っていなかった。