7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
選んだパパなのに
 
 お昼休みになると、祥子は奏弥の傍にやって来てお弁当を見せてきた。
「今日は、副社長の為にお弁当を作ってきました。一緒に食べましょう」
「いや、俺はちょっと用事があるから外に出ますので」
「え? じゃあ、外で一緒に食べましょうよ」
「せっかくですが、頂けません。すみません」

 足早に副社長室を出て行った奏弥。

「まったく、照れているのね」
 フフっと笑って、祥子はそのままお弁当を持ってランチテリアに向かった。


 
 ランチテリアに向かった祥子は、一人で2人分のお弁当を広げて食べていた。

「あれ? 末盛さん。どうしたの? そのお弁当」
 
 他の部署の女子社員が、証拠を見かけて声をかけて来た。

「このお弁当は副社長の分なの。でもね、急用が入ってい外に出てしまったから。私が代わりに食べているの」
「え? そうなの? 」
「うん。副社長と私ね、一緒に暮らしているの」
「え? いつの間に? 」
「それは秘密よ」

 女子社員は祥子の話を鵜呑みにしてしまったようだ。

 祥子は満足そうに笑いながら、お弁当を食べ続けていた。



 昼休に外へ$出てきた奏弥は、祥子の異様な態度を疾風に連絡した。

(なる程、そうだったのか)
「彼女は同級生だけど、俺はほとんど記憶に残っていなくて気にした事もなかったし。最近、急に接近してきて。この前は、マンションの近くにいてびっくりしたんだ」
(そうか。確かに、彼女については過去にも着けまわされたと言っていた男性社員がいたが。その社員は、急に行くへが判らなくなって。その後に自宅で、首をつって亡くなっているのが発見された事があった。だが末盛さんは、着きまといではなく愛し合っていたと言っていた)
「そんなことがあったんだ。ちょっと気味が悪いから、これ以上酷くならないうちに末盛さんを秘書から外してもらえないかな? 」
(わかった。ただ急に刺激すると何をするか分からないからな、ちょっと慎重に動く事にする)
「分かったよ」

 電話を切った奏弥は一息ついて、そのまま近くの公園へと歩いてきた。

 森林が広がるのびのびとした公園では、ベンチに座ってお弁当を食べる人も多くいる。

 奏弥もコンビニで買ってきたお弁当をベンチに座って食べ始めた。
 
 軽くお握りとサンドウィッチを買って、パックの珈琲を買ってのんびりと過ごすお昼も悪くない。

 
 食べながら空を見上げてホッと一息ついた奏弥。

 すると…。

 ふと、何か視線に気づいて見てみると…。

 以前、駅前で見かけた2人の男の子の一人が奏弥の傍にいた。
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