7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
その後はデスクの上のバラをかたずけて、暫くパソコン仕事をしあと、奏弥は会議がある為会議室へ向かった。
奏弥が会議室へ向かっていない間、祥子はずっと奏弥の座っている椅子に頬を摺り寄せていた。
「奏弥さん…。私が護ってあげる…」
頬を摺り寄せ何度も椅子に唇を擦り付けて、キスを繰り返している祥子。
自分だけの世界で誰の言葉も聞き入れず、勝手に事を進めている祥子は、一人で幸せな世界に浸っている。
祥子に関しては何年か一度に、問題が発生していたが、その度にもみ消されていた。
関わった者は行くへ不明になったり、不審死をしている事が多い。
しかし、いずれも祥子は何も関わっていない形で終わっていた。
奏弥の秘書になってから、祥子は真面目に仕事をしているように見えたが、何度かお見合いをしても結婚が成立しなかったと耳にしている。
夕刻になり。
奏弥はちょっと残業をして18時に退社した。
祥子は先に帰ったようでいなかった。
エントラスに降りてきた奏弥に、女子社員が声をかけて来た。
「副社長お疲れ様です」
可愛らしい顔立ちのメガネをかけた女子社員。
穏やかな声は癒し系のように感じる。
「お疲れ様です。今まで残業していたのですか? 」
「はい、ちょっとやり直していた作業があったので」
「そうだったのですね」
「副社長、最近イキイキしていますね。やはり、末盛さんと一緒に暮らし始めたからですか? 」
「え? 」
なにを言い出すのかと驚いた奏弥に、女子社員はきょんとなった。
「末盛さんと一緒いくらしているのですよね? 今日のお昼に、末盛さんが話していたと聞きましたよ」
「いえ、そんな事はありません。末盛さんとは、仕事以外の関りはありませんので」
「そうなんですか? すごく幸せそうな顔をして、お弁当を2人分食べながら話していたと聞きましたよ」
なんだそれは…。
妄想にしてはかなり行き過ぎている。
「それは事実ではありませんので、気にしないで下さい」
「そうですか、分かりました。でも、副社長はどうして誰とも付き合わないのですか? 」
「仕事が忙しいので、恋愛に興味がないだけです」
「そうなんですか」
奏弥と女子社員が話している姿を、遠目で見ている祥子がいた。
「あの女、奏弥さんのストーカーね。早めに始末しておかないと、奏弥さんの身体に響くわ」
じっと女子社員を見ている祥子の目は、明らかに嫉妬に満ちていた。
祥子に見られているとは気が付かないまま、奏弥と女子社員はそのまま話ながら歩いていた。