男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
 だが会場に戻ってケーキを食べたのち、彼の父であるラドフォード公爵を探そうとして移動しようとした矢先、ジークハルトがうっかり令嬢と肩が当たってしまって蕁麻疹が出た。

 異変は即効だった。エリザは「えぇぇ」と声がもれた。

 事情を知っている近衛騎士達が駆け付けて、速やかに控室へ連れて行ってくれた。その騒ぎでルディオとも会えた。

「なぁエリオ、責任感じてんのか? そんな落ち込むなって」
「私が落ち込んでいるのはそこじゃない……」

 ルディオは、きょとんとしていた。

 しばらく控え室でジークハルトを休ませている間に、ラドフォード公爵が迎えに来てくれたのだった。
< 136 / 392 >

この作品をシェア

pagetop