男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
8章 ジークハルトは可愛らしい治療係を思う
ジークハルトにとって、父の言う『治療係』は煩わしい存在だった。
『――話を聞く気はない。帰ってくれないか』
あまりにも傲慢的な時は、我慢せず一言で〝治療〟とやらを終わらせた。何人も引き合わされてきたから、面談の顔合わせで無理だと感じたら『時間の無駄だ』と厳しく追い払った。
友人のルディオから、非道だの冷たいだの言われるが気にならない。
ジークハハルトが気に入らないのだから、自分のテリトリーである屋敷から追い出して何が悪いのか。
どの治療係も意思疎通が立たず、成果が早々に現れずに挫折する者も続出した。
そうやって、最後の治療係が三日と経たず辞めてしばらく経ったあと、新しい治療係がやって来た。
父が見付けてきたその治療係は、ルディオと友人になったという異国の魔法使いだった。
鮮やかな赤い髪と、ルビーみたいな瞳が目を引く少年だった。
『――話を聞く気はない。帰ってくれないか』
あまりにも傲慢的な時は、我慢せず一言で〝治療〟とやらを終わらせた。何人も引き合わされてきたから、面談の顔合わせで無理だと感じたら『時間の無駄だ』と厳しく追い払った。
友人のルディオから、非道だの冷たいだの言われるが気にならない。
ジークハハルトが気に入らないのだから、自分のテリトリーである屋敷から追い出して何が悪いのか。
どの治療係も意思疎通が立たず、成果が早々に現れずに挫折する者も続出した。
そうやって、最後の治療係が三日と経たず辞めてしばらく経ったあと、新しい治療係がやって来た。
父が見付けてきたその治療係は、ルディオと友人になったという異国の魔法使いだった。
鮮やかな赤い髪と、ルビーみたいな瞳が目を引く少年だった。