男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
『初めまして、あなたがジークハルト様ですね? 私は【赤い魔法使い】のエリオと申します。面談にまいりました』
魔法使いだと聞いていたのに、顔の印象を裏切る物理的な強さにも呆気に取られた。
(子供、じゃないか……?)
取っ払われた扉の向こうにいたのが、想像していた恐ろしい男ではなくて、華奢な少年だったことにも驚いた。
魔法使いは、強ければ何歳であろうと『強い魔法使いであるという身分』の証明書が発行される仕組みだ。恐らくは十九歳のジークハルトより年下だろう。
そんな彼が、出会い頭の印象を裏切る丁寧な物腰で話を進めた。
町で知り合った親切な人、のような態度もジークハルトには新鮮だった。
自分が治療係として任命されるとは思ってもいないのか、あくまで第三者として考える姿も、好感が持てた。
エリオを見ていると、何事にも真剣で一生懸命なのだと分かる。
自分の問題と、これまで真剣に向き合ってこなかったことが恥ずかしくなるくらいだ。
魔法使いだと聞いていたのに、顔の印象を裏切る物理的な強さにも呆気に取られた。
(子供、じゃないか……?)
取っ払われた扉の向こうにいたのが、想像していた恐ろしい男ではなくて、華奢な少年だったことにも驚いた。
魔法使いは、強ければ何歳であろうと『強い魔法使いであるという身分』の証明書が発行される仕組みだ。恐らくは十九歳のジークハルトより年下だろう。
そんな彼が、出会い頭の印象を裏切る丁寧な物腰で話を進めた。
町で知り合った親切な人、のような態度もジークハルトには新鮮だった。
自分が治療係として任命されるとは思ってもいないのか、あくまで第三者として考える姿も、好感が持てた。
エリオを見ていると、何事にも真剣で一生懸命なのだと分かる。
自分の問題と、これまで真剣に向き合ってこなかったことが恥ずかしくなるくらいだ。