男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
付いていてくれると安心できるそうだ。
彼の中で治療係という存在が、尊敬する教師みたいになっている気がする。
舞踏会の時、父のラドフォード公爵に聞かされて『あなたが守ってくれるので安心です』と彼は言っていた。
(私、守れてはいない気がするけどな)
自分で言うのもなんだが、結構、スパルタだ。
事実、舞踏会ではフィサリウスの話しに付き合ってジークハルトを放置してしまった。その結果、泣き付かれた。
その時、エリザは彼の短い悲鳴を聞いて我に返った。
直後、ローブの背中を両手で握られて、ぐんっと重心がかかる。
「……おいおいジーク」
ルディオが呆れ返っている。
二人よりずいぶん小さなエリザの後ろに、ジークハルトが背を屈めて隠れていた。
(うん。堂々と歩いていたとは思えないワンコな姿)
うーんとエリザは考える。
一緒に出歩くようになってから、彼が自分を盾にするのには慣れた。しかし、不意打ちだとやはり驚いてしまう。
進む先の廊下から、歩いてくる三人のメイドの姿があった。
彼の中で治療係という存在が、尊敬する教師みたいになっている気がする。
舞踏会の時、父のラドフォード公爵に聞かされて『あなたが守ってくれるので安心です』と彼は言っていた。
(私、守れてはいない気がするけどな)
自分で言うのもなんだが、結構、スパルタだ。
事実、舞踏会ではフィサリウスの話しに付き合ってジークハルトを放置してしまった。その結果、泣き付かれた。
その時、エリザは彼の短い悲鳴を聞いて我に返った。
直後、ローブの背中を両手で握られて、ぐんっと重心がかかる。
「……おいおいジーク」
ルディオが呆れ返っている。
二人よりずいぶん小さなエリザの後ろに、ジークハルトが背を屈めて隠れていた。
(うん。堂々と歩いていたとは思えないワンコな姿)
うーんとエリザは考える。
一緒に出歩くようになってから、彼が自分を盾にするのには慣れた。しかし、不意打ちだとやはり驚いてしまう。
進む先の廊下から、歩いてくる三人のメイドの姿があった。