男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
ふと、本のページをめくった拍子に集中が途切れて、窓から差し込む日差しの角度が変わっていることに気づいた。
(そろそろ起きる頃かな?)
窓の外の明るさの変化を確認したエリザは、続いてベッドの方を真っすぐ見て、持っていた本を放り投げそうになった。
ジークハルトが目を開けて、顔をこちらに向けていた。
「起きられたんですね。気分はいかがですか?」
ぼんやりとした様子の彼が心配になって、本を置き、ベッドに身を乗り出して額に触れてみた。
「熱はないみたいですね」
ルディオの打ちどころが悪かったのでは、と少し不安になったが、その可能性はなさそうだ。
無言なのは寝起きのせいだろうか。なんだか落ち着かない気持ちになって、女性とお茶の席に座っていた疲労があるのかもと別の可能性についても考える。
「あ、そうだ、サジさんが軽食を用意すると言っていました。お腹はすいていませんか? その、私これからサジさんに伝えてきますねっ」
くるっと背を向けた直後、後ろから素早く手が伸びて腕を掴まれた。
(そろそろ起きる頃かな?)
窓の外の明るさの変化を確認したエリザは、続いてベッドの方を真っすぐ見て、持っていた本を放り投げそうになった。
ジークハルトが目を開けて、顔をこちらに向けていた。
「起きられたんですね。気分はいかがですか?」
ぼんやりとした様子の彼が心配になって、本を置き、ベッドに身を乗り出して額に触れてみた。
「熱はないみたいですね」
ルディオの打ちどころが悪かったのでは、と少し不安になったが、その可能性はなさそうだ。
無言なのは寝起きのせいだろうか。なんだか落ち着かない気持ちになって、女性とお茶の席に座っていた疲労があるのかもと別の可能性についても考える。
「あ、そうだ、サジさんが軽食を用意すると言っていました。お腹はすいていませんか? その、私これからサジさんに伝えてきますねっ」
くるっと背を向けた直後、後ろから素早く手が伸びて腕を掴まれた。