男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
もう、思考がほぼ停止まで追い込まれているのが分かる。
またジークハルトの顔が近付いてくるのを感じた。彼の栗色の髪が触れるのを感じてビクッとしたら、唇の隣まで迫った彼の口がぴたりと止まった。
「……えと、なぜ顔を舐めているのでしょうか?」
助かったと思って、エリザはちらりと視線を向けて問いを投げかけてみた。
目を合わせたらジークハルトが、ベッドに広がっているエリザの短い赤い髪を意味深に指で少し撫でた。
「ようやく分かりました。僕は、エリオがこの腕から奪われていくことが耐えられない」
エリザは、また思考が留まるのを感じた。
彼の腕の中にいた覚えもないし、つまり彼のものではないはずのだがいったいどういうことだろうか。
(…………うん、質問したけどよく分からない回答がきたな!)
どういうことなのか急ぎ考える。これも聖女の浄化作用によるものだったりするのだろうか。
悩んでもすぐにパッと浮かばなかったので、ここは本人に確認してみることにした。
またジークハルトの顔が近付いてくるのを感じた。彼の栗色の髪が触れるのを感じてビクッとしたら、唇の隣まで迫った彼の口がぴたりと止まった。
「……えと、なぜ顔を舐めているのでしょうか?」
助かったと思って、エリザはちらりと視線を向けて問いを投げかけてみた。
目を合わせたらジークハルトが、ベッドに広がっているエリザの短い赤い髪を意味深に指で少し撫でた。
「ようやく分かりました。僕は、エリオがこの腕から奪われていくことが耐えられない」
エリザは、また思考が留まるのを感じた。
彼の腕の中にいた覚えもないし、つまり彼のものではないはずのだがいったいどういうことだろうか。
(…………うん、質問したけどよく分からない回答がきたな!)
どういうことなのか急ぎ考える。これも聖女の浄化作用によるものだったりするのだろうか。
悩んでもすぐにパッと浮かばなかったので、ここは本人に確認してみることにした。