男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
3章 エリザ、嫡男様と面談します
面会当日、迎えに来た馬車に乗って公爵邸に向かった。
「おい。よくもやってくれたな、ルディオ」
「あははは、ごめんごめん。そんなに怒るなよ」
ルディオが近衛騎士の恰好で待っていた。親友の男色説がなくなって、ひとまず心配が去ったらしい。
あまりにも呑気なその表情を見て、もう幼馴染とでも結婚してしまえ、とエリザは心の中で文句を言った。
……傷がぶり返すのを想像したら、かわいそうで口にできなかった。
ルディオと同様、公爵家嫡男のジークハルトも午前中で近衛騎士の勤務を終えているはずだった。午後のティータイムに、魔法使いとの面会があると知らされている。
客間で待機しているはずだった――が、出迎えたセバスチャンはすぐそちらに案内しようとはしなかった。
「……申し訳ございません。坊ちゃまは二階の自室でございますので、そちらへご案内いたします」
彼の眉がハの字になったのを見て、エリザはなんとなく察した。
「おい。よくもやってくれたな、ルディオ」
「あははは、ごめんごめん。そんなに怒るなよ」
ルディオが近衛騎士の恰好で待っていた。親友の男色説がなくなって、ひとまず心配が去ったらしい。
あまりにも呑気なその表情を見て、もう幼馴染とでも結婚してしまえ、とエリザは心の中で文句を言った。
……傷がぶり返すのを想像したら、かわいそうで口にできなかった。
ルディオと同様、公爵家嫡男のジークハルトも午前中で近衛騎士の勤務を終えているはずだった。午後のティータイムに、魔法使いとの面会があると知らされている。
客間で待機しているはずだった――が、出迎えたセバスチャンはすぐそちらに案内しようとはしなかった。
「……申し訳ございません。坊ちゃまは二階の自室でございますので、そちらへご案内いたします」
彼の眉がハの字になったのを見て、エリザはなんとなく察した。