男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
エリザとしては、素直に話しを聞いてくれる状況であるのなら都合もいい。
(――でも、私が助け起こすわけにはいかないんだよな)
ひどい女性恐怖症だとは聞いている。
すると、ルディオが扉を踏み越えて先に入室した。付添人と言っていたのに、ジークハルトを助け起こす。
「えっと、ジーク? この前も話したと思うけど、エリオは俺の友人でもあるんだ。害はないし、頼りになる男だからさ」
ルディオが、男、という部分を強調して言った。
本日も、エリザは普段と同じく魔術師団のマントコートに男性衣装だった。
五分五分で性別を間違えられるほど、貧弱で色気のない身体をしている自覚はある。
(そもそも対面だけで見破られたのなら〝治療〟は無理)
事前に公爵側とは話し合っていた。相手のジークハルトが受け入れてくれるか分からないので、詳細については彼が大丈夫なら面談を進めて本人から聞く予定だった。
エリザは、彼がどれほどの女性恐怖症かは知らないでいる。
(――でも、私が助け起こすわけにはいかないんだよな)
ひどい女性恐怖症だとは聞いている。
すると、ルディオが扉を踏み越えて先に入室した。付添人と言っていたのに、ジークハルトを助け起こす。
「えっと、ジーク? この前も話したと思うけど、エリオは俺の友人でもあるんだ。害はないし、頼りになる男だからさ」
ルディオが、男、という部分を強調して言った。
本日も、エリザは普段と同じく魔術師団のマントコートに男性衣装だった。
五分五分で性別を間違えられるほど、貧弱で色気のない身体をしている自覚はある。
(そもそも対面だけで見破られたのなら〝治療〟は無理)
事前に公爵側とは話し合っていた。相手のジークハルトが受け入れてくれるか分からないので、詳細については彼が大丈夫なら面談を進めて本人から聞く予定だった。
エリザは、彼がどれほどの女性恐怖症かは知らないでいる。