男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
部屋に戻ると、そこには重々しい空気が立ちこめていた。
エリザは、目の前に広がっている光景に、大きな赤い目をぱちくりとした。
先程までチエスに熱戦していたというのに、ルディオは掛ける言葉を探せないでいるようだし、向かいにいるジークハルトは顔に手を押し付けて項垂れている。
「えーと……ルディオ、これどういう状況?」
歩み寄りながら、いったい何があったのか尋ねた。
「その、エリオが呼び出された用件を推測して話したところ」
「まさか、それって舞踏会での……」
「おう、ちょうど婚約者の候補に挙がっている令嬢達も全員出席するから、明日の舞踏会のことじゃないかって言ったら、こんなことに」
ルディオが、自分の向かい側を両手で示す。
以前からずっと、その令嬢達と話すようにと父からも言われていたからだろう。もしかしたら前もって予告はされていたのかもしれない。
エリザは溜息をこらえ、ひとまず二人の間に椅子を引き寄せて座った。
エリザは、目の前に広がっている光景に、大きな赤い目をぱちくりとした。
先程までチエスに熱戦していたというのに、ルディオは掛ける言葉を探せないでいるようだし、向かいにいるジークハルトは顔に手を押し付けて項垂れている。
「えーと……ルディオ、これどういう状況?」
歩み寄りながら、いったい何があったのか尋ねた。
「その、エリオが呼び出された用件を推測して話したところ」
「まさか、それって舞踏会での……」
「おう、ちょうど婚約者の候補に挙がっている令嬢達も全員出席するから、明日の舞踏会のことじゃないかって言ったら、こんなことに」
ルディオが、自分の向かい側を両手で示す。
以前からずっと、その令嬢達と話すようにと父からも言われていたからだろう。もしかしたら前もって予告はされていたのかもしれない。
エリザは溜息をこらえ、ひとまず二人の間に椅子を引き寄せて座った。