男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
「そう、でしょうか……」
「ジークハルト様、ご不安ですか? 大丈夫ですよ。今回は私が付きっきりで同行しますから、貴方が独りになることはありません」
ジークハルトが、素早くエリザへ顔を向けた。
「あなたも一緒に行ってくれるのですか?」
「はい、ラドフォード公爵様からも許可が出ました。当日はご一緒に出発いたします。近くにいないと助けられないですし」
エリザは、揃えた膝の上に両手を置いて彼を見つめ返す。
「私はお試しで雇われたような治療係ではありますが、治療係として、あなたが苦手なものを克服できるよう一緒に頑張りたいと思っています」
「一緒に……」
そう呟いて、ジークハルトの青い目が少し潤む。
「はい。よろしくお願いします」
彼がハタとして、慌てて頭を下げた。
(私は頭を下げられるような身分じゃないんだけどな)
慣れなかったので、ひとまず公爵家嫡男様には迅速に頭を起こしてもらった。するとジークハルトは、なんだかやっぱり嬉しそうに笑った。
「ジークハルト様、ご不安ですか? 大丈夫ですよ。今回は私が付きっきりで同行しますから、貴方が独りになることはありません」
ジークハルトが、素早くエリザへ顔を向けた。
「あなたも一緒に行ってくれるのですか?」
「はい、ラドフォード公爵様からも許可が出ました。当日はご一緒に出発いたします。近くにいないと助けられないですし」
エリザは、揃えた膝の上に両手を置いて彼を見つめ返す。
「私はお試しで雇われたような治療係ではありますが、治療係として、あなたが苦手なものを克服できるよう一緒に頑張りたいと思っています」
「一緒に……」
そう呟いて、ジークハルトの青い目が少し潤む。
「はい。よろしくお願いします」
彼がハタとして、慌てて頭を下げた。
(私は頭を下げられるような身分じゃないんだけどな)
慣れなかったので、ひとまず公爵家嫡男様には迅速に頭を起こしてもらった。するとジークハルトは、なんだかやっぱり嬉しそうに笑った。