幼馴染くんの好きな人は私でした。
ただ、急に日比人が違う人に見えただけ。
このドキドキは、階段を1段飛ばしして上がったから?…ううん、日比人の告白が浮かんじゃうからだ。
どうしよう、このままずっと日比人と話せなかったら。
「幼馴染なら、ここ開けて」
鍵はかけていないのに開けないところがひ日比人らしくて、少しほっとした。
…幼馴染なら、って、今だけ告白は無しにして話そうとしてくれてるの?幼馴染として?
このお願いは断りたくない…
カチャ
「…んえ?」
素っ頓狂な声を出したのは口をあんぐり開けた私。予想を裏切って、馬鹿にするように口角を上げた日比人は、部屋に一歩、また一歩と足を進める。
「花は高いツボ買わされそうだね」
「…ツボに興味無いもん」
「そういうことじゃないよ。じゃあ、世界一幸運になれる魔法のツボだっていわれたら?」
「お得だ、買う」
「はいはい」